おとなしすぎる息子…「発達障害」のサインは1歳であらわれた
「手がかからない子」だと思っていた
たしかに、彼は他の子よりも小さかった。でも第2子というのは、どうしても第1子の経験をもとに育てられるため、“大丈夫だろう”と思ってしまったのだ。
実際、“個人差があるから、そのうち追いつくよ”と、それまで何度も言われてきた。それに、私もそうだろうと思っていた。でも、よく考えると、ぽんちゃんはほぼ泣かず、誰が近づいてもにっこりと笑い、おとなしく、驚くほど手がかからなかった。「2人目ってすごいね~」などとのんきに構えていたが、思えばこの“おとなしすぎる”ことも、サインのひとつだったのかもしれない。
そう思った瞬間、ひやりと冷たい感覚を覚えた。
娘を生んだ2007年ころから、“発達障がい”という言葉がたくさん耳に入るようになっていた。その言葉が、うちの子に当てはまるなんて、思いたくなかったのだ。でも、おばあちゃん先生の言葉が引っかかった私は、保育園の帰り際に近所の小児科へと足を運んだ。きっと、思い過ごしだ。うちの子が、他の子と違うわけがない。こんなにかわいいのに。こんなに愛らしいのに。ただ、小さいだけなのだ。そう信じて、お医者さんに、“この子は大丈夫”と言ってもらうために。
<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
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【登場人物の紹介】
息子・ぽんちゃん(8歳):天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをもろともせず小学校では人気者
娘・みいちゃん(10歳):しっかり者でおませな小学5年生。イケメンの判断が非常に厳しい。
ママ:80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。
【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky)
【ワタナベチヒロ プロフィール】
漫画家、イラストレーター。お金にまつわる役立つ知識をオールマンガで1冊にまとめた著書『お金に泣かされないための100の法則』(ファイナンシャルプランナー山口京子先生が監修)が主婦と生活社より発売中。吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980)
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