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看護師16人の同時妊娠を米国病院が祝福。妊娠を迷惑がる日本企業と違いすぎる

「子どもができてすみません」  今年の4月、名古屋の保育園で保育士の妊娠する順番が暗黙のうちに決められていたことから、予定外の妊娠をしてしまった女性が園長に頭を下げに行ったという投書が新聞に掲載され、物議を醸しました。  さらに今年の7月、関東地方在住の看護師の女性が妊娠中に亡くなった子をお腹に残したまま、その日残業も夜勤もさせられた、という衝撃的なニュースが。
CNNより

CNNより https://edition.cnn.com/2018/08/18/us/16-nurses-pregnant-at-arizona-hospital-trnd/index.html

 一方、先日アメリカでは、アリゾナ州のある病院で偶然にも16人の看護師が同時期に妊娠していることが判明するも、記者会見まで開かれ、祝福ムードあふれる様子が報道されていました。  日本とアメリカで、妊娠女性への社会の対応が、なぜこうも違うのでしょうか……? ハワイ在住の筆者が、その違いを考えてみました。

社員が残業・夜勤を強いられたら訴訟を起こすアメリカ

 日本の職場では、妊娠したことで周りに迷惑をかけてしまうと感じる女性は多いと思いますが、アメリカではそんな考えはまずあり得ないでしょう。妊娠女性が残業や夜勤を強いられたら、間違いなく社員が会社を訴えることになります。アメリカは訴訟社会の国です。  妊娠した日本の女性が引け目を感じてしまうのは、労働時間の短縮や産休で、周囲に仕事の負担がかかってしまうから。でもアメリカでは、妊娠した女性はもちろん、そのまわりの社員だって労働環境が整えられていることが当たり前。もし、まわりの社員が残業させられるようなことになれば、その場合だって会社は社員から訴えられかねません。  16人のナースが妊娠していることがわかったアメリカの病院では、それぞれ12週間の産休をとる間、人員を確保すると発表しています。

アメリカで履歴書に性別・年齢を書かない理由

 女性は妊娠や出産で離職することが多いからと、東京医科大学の入学試験で女子学生が差別されていたことが先月明るみになりましたが、日本では企業の採用でも、性別や年齢が気にされることは多いと思います。  でも、アメリカではまず、履歴書に性別、年齢を明記しません。もちろん面接で聞かれることもありません。そういった個人情報が採用の材料に使われた場合、これまた訴えられる可能性があるためです。だから、女性であっても、妊娠を望んでいても、子どもがいても、仕事のスキルで公平にジャッジされるのが、アメリカ社会なんです。  筆者は以前、アメリカの会社に勤務していましたが、女性社員が妊娠すると、社員全員でベビーシャワーを開いてお祝いしていました。せっかくの妊娠・出産です。日本の女性が社会からつらい仕打ちを受けるようなことが少しでもなくなることを願います。 <文/佐藤まきこ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone
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