猫にも“利き手”がある。しかも性別で違うことが判明
エサを食べるときも、階段に足を踏み出すときも、無意識に左右どちらかの足が出てしまう……。そんな“利き手”が猫にもあると知っていましたか? しかもオス猫なら左利き、メス猫は右利きが多いということがある研究で判明したそうなんです。

猫の利き手を調べるというユニークな実験を行ったのは、北アイルランドのクィーンズ大学ベルファスト校の、心理学を専門とするウェルズ医師たち。アイルランドの家庭で飼われている、24匹のオス猫と20匹のメス猫、合計44匹を対象に実験が行われました。
階段を降りるときと物を飛び越えるときに、猫が左右どちらの足から踏み出すか、寝るときは左右どちら側に横たわるかチェックするように飼い主に依頼。さらに、中にエサが仕掛けられた箱を使って、猫が左右どちらの足でエサを取ろうとするか調査しました。
その結果、エサを取るときは73%の猫が左右どちらかの足を好んで使っていると判明。階段を降りるときは70%の猫が、物を飛び越えるときは66%の猫が、左右どちらかよく使う足があるとわかったんです。しかも、オス猫は左足をよく使い、メス猫は右足を好んで使うことも明らかとなり、猫は性別で利き手が異なるということのようなのです。
なぜ性別で利き手が異なるか、その理由はまだわからないものの、ウェルズ医師はホルモンが影響している可能性を指摘しています。
では、自分の家の猫は左利きなのか右利きなのか、どうやってチェックしたらよいでしょう?
今回の実験のように、階段を昇り降りするときやトイレに入るとき、左と右どちらの足を先に出すかよく観察するのが一番。観察記録をつけてみればやがて、右足ばかり使っている、左足を多く使っている、といった傾向が見えてくるでしょう。
ウェルズ医師たちの実験で、猫が寝るときの左右の好みについては、特に利き手のようなものは存在しなかったと報告されています。また、利き手がない猫もいるそう。
飼い主が猫の利き手を把握できれば、普段の生活の中でも、利き手側を使いやすくしてあげるなど、猫のストレスを軽減させる工夫もできるかもしれません。
ちなみに、人間については左利きの人は世界全体で見ても約1割ほどしかいないとか。さらに、同じウェルズ医師が行った実験で、犬の場合、左利きだと右利きの犬に比べて怖がりの傾向があるそう。それぞれの動物によって、利き手を知っておくと、面白い発見につながるかもしれませんね。
【参考】
https://www.qub.ac.uk/News/Allnews/Queensresearchersdiscoverthatfemalecatsaremorelikelytoberight-handed.html
<文/佐藤まきこ>
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猫の利き手をチェック方法は?

佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone