――本作を通じて、黒木さん自身が気づいたことや、同世代の女性たちにも伝わるだろうと感じていることを教えてください。 黒木：毎日忙しい人でも、お茶をやりたくなる気持ちが理解できましたし、その時間を作るということが大事だと気づきました。あまりにも忙しくしていると、雨のにおいとか、風の音とか、夏が来るといった、四季の変化に気づかなくなったりする。自分と向き合う時間が取れなくなることで、自分の変化にも気づけなくなっていく。 だから時間を作ることは大切。そんなことを感じました。観客の方も、典子さんを通して、お茶を習っている気持ちにもなれますし、自分自身の気持ちにもフォーカスを当てることができるんじゃないかと思います。 ＝＝ 　いつも柔らかな雰囲気の黒木さんですが、笑顔の奥に、女優さんとしての強い意思を持った方だと感じます。取材中、これまで出会ってきた皆さんが、自分にとっての武田先生のような存在だともお話しされていたのですが、樹木希林さんとの出会いも、とても大きなものになったのではないでしょうか。美しく年を重ねていく姿をずっと見ていたい女優さんんです。 ＜文・写真／望月ふみ＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 (C) 2018「日日是好日」製作委員会