――レーザーはどんなものを当てるのでしょうか。
「いわゆるトーニングと言われている波長の長いものです。皮膚表面のシミには波長の短いレーザーを当てますが、肝斑は深いところにあるので、波長の長いメドライトなどを当てます。週1回は当ててもよいとされていますが、患者さんには2週間以上空けてくださいとお願いしています」
――レーザー治療は、一般的には高額ですよね。
「肝斑のレーザー治療にはメリットもあるんです。非常にハリが出ます。熱を当てるので、コラーゲンの産生が促進されるんですね。それに毛穴や小じわが改善したり、コラーゲンの産生が促進されると、ある程度たるみ予防にもつながります。肝斑だけではなく、美肌効果がとても高いんです。メイクのノリもよくなるので、肝斑を隠しやすくもなるんですよ」
――レーザーは即効性がある印象なので、ついほかのものを飛ばしてレーザーを打ちたくなります。
「患者さんの中には、レーザーを当てても『薬はいいです』などと薬代を削ってしまう人がいますが、まずは薬をしっかり飲んで欲しいんです。高いレーザーを照射して『効果がなかった』と言われるのは辛いですから」
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顔に暗い影が落ちてしまう肝斑。少しでも兆候があったら、すぐに治療をした方がよさそうです。
その際の優先順位をまとめると、
1 飲み薬(トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE)
2 外用薬(ビタミンC、ハイドロキノン、トレチノインなど)
3 イオン導入やピーリング
4 レーザー
とのこと。全部いっぺんにやるのが効果が高いそうです。
ついレーザーを打つと他のものをケチりたくなりますが、治療の手順は、クリニックの先生にしっかり相談しましょう。
<取材・文/和久井香菜子>
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