「肝斑」って何?ミドル女性にできる顔のモヤッとしたシミ「肝斑」の原因と治し方
美白に命をかけている女性は多いですよね。なのに30代以降の女性の頬などに出現する、大きなシミ「肝斑(かんぱん)」。原因が不明で、今の医学でもすべてのメカニズムは解明されていないそうです。
実は筆者は先日、GROUPONで安いシミレーザー治療のクーポンを買ってクリニックに行ったんです。そうしたら紫外線カメラかなにかで顔の撮影をされ、「ほら、こんなにシミ予備軍が!」とか言われ、「肝斑が出かかっている」と言われました。
そのためレーザー治療ができず、買ったクーポンも顔には使えないと言うんです。その代わり、肝斑治療のコース(10数万円)を勧められました。
こうやって安いクーポンを買った客を、金額の高い施術へと誘導させているようです。手口がなんだか嫌だなあと思ったので、肝斑治療はお断りして、それゆえめちゃくちゃ態度が悪くなった女医さんに、適当な場所のレーザーを当ててもらって帰ってきました。
素人目には、自分に肝斑がでているようには見えません。でもいったい、肝斑って何なのでしょう?
美容皮膚科「シロノクリニック」横浜院院長の佐藤美先生に聞いてみました。
――肝斑とはどんなもので、何が原因なのでしょうか。
「症状で苦しむわけではないので難病と言ったら大げさではありますが、肝斑は非常に治りにくいんです。更年期の女性を中心に発症する傾向があるので、女性ホルモンが原因のひとつとは言われていますが、原因の特定はされていません。
ただし摩擦は原因のひとつと考えられています。肝斑が出やすいのは、おでこやほおの骨に近い部分やあごです。骨と指に挟まれて摩擦が起きます。摩擦が起きにくいまぶたや鼻翼にはできないんです」(佐藤先生、以下同)
「肝斑は表皮の下の部分、基底層付近にメラニンが蓄積してくることで起こります。そこには活性化されたメラノサイトという、メラニンを作る細胞が多く存在しています。活性化とは炎症を起こしているということ。
また基底層の下の真皮には、メラニンをたくさん含んでいるメラノファージがあります。肝斑は、メラノファージとメラノサイトの両方が弱い炎症を起こして常にメラニンを作っている状態です。また症状が出ている方は、毛細血管が増殖しやすい傾向にあります。炎症を起こしているということは、血管も増やしていくことなので、赤ら顔だったり、メラニンは薄いのに毛細血管によって濃く見えたりします。近くで見ると、毛細血管がうようよと渦巻いていることもあるんです。
肝斑には、表皮型と表皮+真皮型があります。患者さんに多いのは表皮+真皮型ですが、症状が肌の深い部分、真皮にまで及んでしまうと、なかなか治療がしづらいのです。美容も早期発見、早期治療が大事です。なるべく早めに治療を始めたほうが効果が得られやすいです」
――では肝斑の治療は、どんなものがあるのでしょうか?
「レーザーでの治療もありますが、飲み薬もおすすめです。まずは2ヶ月飲んでみてください」
――薬は、どんなものを飲むのでしょうか。
「メラニンは活性酸素によって沈着していきます。ですからこの活性酸素をブロックする必要があるんですね。それがビタミンCとEです。
ビタミンCはEの活性酸素も取り除いてくれるので、両方採ったほうが効き目が高いです。ビタミンCやEは活性酸素をやっつける作用があるので、老化そのものも押さえてくれます。
そしてトラネキサム酸は、メラニンの産生を抑制したり、炎症を抑える作用があります。肝斑は弱い炎症を起こしているので、効果があります。もともとは、慢性じんましんの患者さんが抗アレルギー作用のためにトラネキサム酸を飲んでいたら、肝斑も薄くなったということで処方されるようになりました」
――飲み薬の次は、何を試すべきでしょうか。
「それから、塗り薬ですね。ビタミンCやハイドロキノン、トレチノインといった美白効果のあるものです。そしてピーリングで余分なものを取り除いて、イオン導入で必要なものを入れていく。その次にレーザーですね」
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2.肝斑は更年期前後の女性にあらわれやすい
3.肝斑を治療する飲み薬・塗り薬
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