そして第1位は『トクサツガガガ』（NHK総合）。 　丹羽庭の同名漫画を原作にした本作。商社に勤めるOLで“隠れ特撮オタク”の主人公・仲村叶（小芝風花）が、吉田さん（倉科カナ）やダミアン（寺田心）など、同じ趣味を持つ仲間と心を通わせながら、自分自身の内面と向かい合っていく物語です。 　クライマックスはやはり第6話。幼い頃から特撮好きを否定され続けてきた母・志（松下由樹）に、大切にしていたシシレオーのフィギィアの腕をもぎ取られた叶は、「じゃかましいクソババア！」と叫び、彼女の頬を叩きます。 　まさにこのドラマを象徴する名シーンでしたが、自分の「好き」を否定されて思わず感情をぶつけてしまった叶はふと、同じように自分が母の「好き」を否定してしまったことに気づくのです。

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小芝風花さん(@fuka_koshiba_official)がシェアした投稿 – 2019年 2月月28日午後8時28分PST

　自分の「好き」も大切ですが、相手の「好き」も同じくらい大切なもの。そこから生まれるのは「分断」や「対立」であってはなりません。年齢も性別も立場も関係なく、この世の中が多くの人たちの「好き」で満ちあふれて欲しい、と思わせてくれる作品でした。 　ちなみに、今クールの平均視聴率ベスト3（※同タイトルでシリーズものとして続く刑事・医療ドラマは除く）は、1位が『3年A組―今から皆さんは、人質です―』（日本テレビ系）、2位が北川景子主演『家売るオンナの逆襲』（日本テレビ系）、3位が沢村一樹主演『刑事ゼロ』（テレビ朝日系）でした。 　今クールはゾンビや学園ろう城、特撮といったパッケージ感とは裏腹に、現代社会を鋭く切り取り、見る人の感情にアツく訴えるエモーショナルな作品が印象的でした。4月クールからスタートするドラマも楽しみにしています！ ＜文／中村裕一＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】