彼氏の親友との同居生活…だんだんと楽しくなってきた
「『あれが本心でしょ?もういいよ。幸せになってね』の一点張りで話にならなくて…彼もFさんも、まさか私が記憶を無くしているとは思っていないし…」
仕方がないので、時間をかけて解決しようと思いFさんを連れて帰る美帆子さん。
「いくら記憶が無いと言っても、私のせいでFさんが親友だった彼と不仲になってしまったので、とりあえず連れてきたのですが…」
するとFさんは「ひょんな事からこんな感じになってしまったけど、いちから美帆子ちゃんと信頼関係を築いていきたいと思っているから」とソファーで寝起きして、掃除や料理を手伝いながら少しずつ美帆子さんとコミュニケーションをとっていきました。
「最初は警戒していたのですが、だんだんFさんとの暮らしが楽しくなってきてしまって…彼の事を全く思い出さない日が増えていきましたね」

そしてある日の夕食中にFさんから「やっと良い部屋が見つかったから引っ越すよ」と言われた時に動揺してしまった美帆子さん。
「離れたくないって強く思っている自分に驚いてしまって…そしたらFさんが『そこを仕事場にしてバリバリ仕事頑張るから、僕とちゃんとお付き合いしてもらえませんか?』って言ってくれたんです」
思わず自分からキスしてしまった美帆子さん。それが二人のファーストキスだったそう。
「ちゃんとお付き合いする事になったので、一応彼にもメールで報告したのですが返信はありませんでした…まぁ、そりゃそうですよね」
彼には悪い事をしたなと反省しながらも、今ではFさんに夢中の美帆子さん。
「まさかこんな事になるなんて、人生って何が起こるか分かりませんね」とため息まじりに語る美帆子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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