サプリメントの嘘/ホント。美容と健康に効果はあるの?
ありとあらゆるサプリメントが売られている現在。
食事では摂りきれない美容に良さそうな栄養素を摂りたいけど、中には高額なものもあるし、ムダならやめたいし…。一体サプリメントってどのぐらい効果があるのでしょうか?
そこで、薬剤師でもあり病理専門医でもある峰宗太郎先生に、サプリメントとは何なのかを聞いてみました。峰宗太郎先生は、米国国立衛生研究所(NIH)で感染症の研究をしており、トンデモ医療情報にダマされないよう情報発信しています。
峰宗太郎先生(以下、峰)「サプリメントは、基本的には栄養補助食品といって、食品に分類されます。いわゆる『効果』の順で言うと、医薬品、医薬部外品そして、サプリメントの順と考えていただくと大きく間違いではありません。
医薬品は効能・効果をうたえるのですが、サプリメントは効果はうたえません。例えばブルーベリーのサプリメントの宣伝などは『今すぐクリアをキープしたい』といったように、ぼかして書いてあります。
ビタミンなら『皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに抗酸化作用を持つ栄養素です。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です』といったように『栄養素です』としか書いてありません。『健康維持を助ける栄養素』と遠回しな表現です。『皮膚を美しくする』とは書けないんですね」

峰「それにサプリメントの研究をするのは難しいこともあります。例えばビタミンCをサプリメントで摂りますよね、でもそれは食品にも含まれていますので『ビタミンCのサプリメントを摂っている人 VS いない人』で、よほど量に差がないと単純に比較ができないんです。
医薬品は、基本的に『治療』に用いるため目的とする効能・効果が明白ですよね。でも健康進目的で処方薬を出すことはありません。医薬品は悪くなった体調をよくするためのものなんです。
ちなみに『サプリメントで摂るビタミン剤は吸収されない』という話もあるようですが、ビタミンなどは問題なく吸収されます。そして不必要な分は排出されます。サプリメントを飲んでも栄養が摂れず全く意味がないというわけではありません」
峰「サプリメントと言っても範囲が広くて、効果の強いもの、研究の進んでいるものから、それほどでもないものまであります。
医薬品と同じように研究がされていて、効果が研究されているサプリメントに、例えばEPAやDHAなどがあります。EPAは脂質異常を改善したりすることが知られています。実際にサプリメントとして売られているものとほぼ同じ成分が医薬品になっていて、医薬品の方はしっかり試験をして、認可を得ています。
EPAなどは医薬品よりもサプリメントのほうが用量が多いこともあるくらいです。もちろんサプリメントの表示には『生活習慣が気になる人に』などと書いてあります。でも実際には脂質異常症などに効果があるかもしれませんね。
そうなると病院で処方されるより安く買えることもあるかもしれません。ただし、治療目的ではサプリメントは使用せず、医師と相談することが大切です。そのほかにも口内炎や肌荒れにはビタミンB類が効くなど、効果があると言えるものはもちろんあります」
Contents
サプリメントは「効果」を書いてはいけない

ビタミンのサプリメントはムダじゃない
サプリメントでも効果が期待できるEPAやDHA
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