昨年、韓国のSNSでは飼い犬を空中に投げて撮影した
「ハヌル(空)ショット」という写真が話題になりました。

こうした過剰なパフォーマンスは動物虐待にあたる可能性があるので、行わないようにしましょう。実際、「ハヌルショット」も一時は2万件を超えるほど写真が投稿されていましたが、動物虐待が指摘されるとほとんどの投稿が削除されたそうです。
過剰なパフォーマンスは愛犬や愛猫に怪我をさせてしまう可能性も高くなります。例えば、人間の膝から落下しただけでも怪我をしてしまう可能性が高い小型犬にこうしたパフォーマンスをすると、どうなるでしょうか。柔らかい場所に投げれば怪我をしないという考えは、甘いように思えます。
猫は高い場所から落ちても大丈夫な動物だというイメージが強いかもしれませんが、実際は上手く体勢を立て直せず、着地に失敗し、骨折することだってあります。
空中に投げられた時に咄嗟に機転を利かせ、体勢を瞬時に立て直せる保証はありません。
派手なパフォーマンス動画は斬新に見え、インスタ上で注目を浴びやすいもの。しかし、おもちゃのように動物を扱って獲得した「いいね」にはどんな価値があるのでしょうか。
一時期、
SNS上では背後にそっとキュウリを置くと、猫がパニックになって跳び上がる光景が話題となり、チャレンジする飼い主さんが急増。Twitterやインスタグラムには、多くの実証動画が溢れました。しかし、ブームに左右され、突然驚かされた動物たちは一体どんな気持ちだったでしょうか。
<編集部注:米国の認定動物行動学者、ジル・ゴールドマン氏は、「猫はキュウリでヘビを連想しているかもしれない」として、この動画を強く批判しています(
「ナショナル・ジオグラフィック」2015.11.20)>。
SNSでたくさんの「いいね」を貰えたりバズったりすると、自分という人間が認められたような気持ちになり、満足感が得られます。けれど、その満足感の裏側で犠牲になっているものはないか、今一度考えてみてほしいのです。
動物たちはアクセサリーではなく、意志を持った命あるもの。「自分の投稿は身勝手ではないだろうか」と、“映え”を狙い、投稿ボタンを押す前に、そう自分の胸に問いかけてみてください。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291