話を元に戻しましょう。鐘子が丈にイチ早く独身だという事実を告げてほしい理由。それは、ジャーナリストの池上彰氏がテレビ番組で「普通に生活していて理想の相手と出会える確率は、統計学的に0.00006％だ」と指摘していたからです。 （※編集部注：サイエンスナビゲーターを名乗る桜井進氏の計算。“理想”の定義や計算の根拠は番組では明かされず、信じていいのかわかりませんが） 　池上氏によれば「0．00006％は167万人に1人の割合」とのこと。理想の相手と出会える確率は奇跡に近いとも言いかえられます。 　29歳で婚活を始めて3年後に疲れて現在に至る鐘子が、婚活を休みたいという気持ちは分かります。ですが、出会ってしまったのです。3話で鐘子が「（丈のことが）好きだ……！」と心の声を発したように、好きになれる相手に。しかも、婚活中の男女が求める「自然な出会い方」で。 　丈は顔面偏差値が高く紳士的で、うかうかしていたら他の女性に奪われてしまいかねない男性です。鐘子が「会いたい」とLINEをしたら「おいで」と、世の女性をキュン死させた極上の返しをしてくれる男性と「自然な出会い」ができたこと自体が超ミラクル。 　鐘子は「私が人妻（設定）だから（丈は）気軽に遊べる相手として自分を誘っているんだ」と思い込んでいますが、思いは言葉にしなければ伝わらないもの。鐘子には、玉砕覚悟で勇気を出してもらいたいです。 ＜文／内埜さくら＞ ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】