なぜ洋子さんは彼を試すような行動を取るのか。その原因は、彼女と母親の関係性が影響していました。 「私は仕事が終わったらまっすぐ家に帰るんです。遅くなると母が心配するので」 「え！28歳で門限があるってこと？」 「門限ではないですけど、心配させたくないから」 　もうすぐ30歳になる娘を「心配だから」とコントロールする母親に少し驚きました。過干渉ですよね。 　しかし彼女は、「言いつけを守ること＝愛情に応える」だと思っていたのです。そして同じことを彼にも行い、「自分のわがままを聞いてくれる＝愛情」だと勘違いしていたのです。 　洋子さんのように、試すような真似をして「別れる！」「嫌いってこと？」と問い詰める女性では、大抵男性が面倒くさくなり、愛想をつかして離れていきます。 　洋子さんは、彼と別れたら同年代の男性とお付き合いもできると考えているようでした。しかし、男女は同じレベルの人にしか出会えません。まして、婚活は相手の男性もいろんな女性と自分を比較します。地味な外見に加えて、思いやりもなく、メンタルも不安定ってどこが魅力的なのでしょうか。 　今の彼から見れば彼女の若さは魅力かもしれませんが、年齢の近い男性から見ればそれもなくなります。「婚活をしても、今の彼より良い男性と付き合える可能性は低い」と伝えました。 　こうして目が覚めた洋子さんは今までの行動を反省し謝罪すると、彼は納得してくれたそうです。それから親に彼氏を紹介しました。親は「もっと若い人もいるんじゃないの」と言ってきたそうですが、洋子さんは自分の意志で彼を選んだと伝えたのです。二人の関係性も親からの自立も、少しずつ進めていけると良いですね。 ※個人が特定されないよう一部脚色してあります。 ＜取材・文／菊乃＞