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ベッキーがヤバい!太ももむき出しの怪演で炎上から復活

ベッキーのシン・ゴジラ的進化は段階を踏んでいる

 98年にデビュー、00年、「おはスタ」のおはガールとして朝の顔になり、以後、元気で明るいイメージでバラエティー番組を中心に、俳優活動、音楽活動など手広くやっていたベッキー。  2016年、文春砲に仕留められ、不倫したうえ、LINEで恋人と「ありがとう文春」「センテンススプリング」と開き直っていたことで、裏切られた奥さんに共感する女性層をいっきに敵に回してしまった。それまで築き上げてきた好感度を一気に失ってしまった。  その後、活動休止、結婚、妊娠を経て、「初恋」で復活を遂げる。最近は、山口紗弥加、木村多江や高岡早紀、麻生祐未など女の怪演が喜ばれる時代。ベッキーもウェルカムだと思う。
 ただし、ベッキーのシン・ゴジラ的進化は突然変異ではなく、段階を踏んでいる。  兆しは「エイトレンジャー」シリーズ(12年、14年 堤幸彦監督)。俳優の意外な面を引き出すことが巧い堤演出によって、ベッキーはここですでに今までのイメージを破り、ダークな裏事情をはらんだクールなキレ者役をやっている。記憶が曖昧だが、瞬きをあまりしない設定だったような。  元々ハーフゆえの彫りの深い顔立ちに、くすみのない真っ白い肌、色素の薄い瞳に花のような虹彩がくっきり見えて神秘的なベッキーだから、クールビューティーの役も会っていた。ただこれは、イメージが固定化し過ぎた俳優やタレントが鮮度を保つための作戦のひとつで珍しいものではない。

「麻雀放浪記2020」で新境地

 その後、文春砲があった後に出演した「麻雀放浪記2020」(19年白石和彌監督)でベッキーは2役に挑戦する。  ひとりは最強の女流雀士ゆき。斎藤工演じる主人公・坊や哲を家に住まわせ、麻雀を教える色っぽい姐さん(ママと呼ばれている)。もうひとりはAIの美しき麻雀女王ユキ。アンドロイドのような感じで表情を変えない役である。  みじろぎしないで麻雀をし続けるAIは「エイトレンジャー」のクールビューティーの進化系といっていいかもしれないが、ママは新境地だった。昭和の白いエプロンをつけ、斎藤工にお預けを食らわせ続ける気だるい仕草がたまらない。トーストを食む口元すら見入ってしまったほどである。

じつはそんなに変わってないのかもしれない

 そして、満を持しての「初恋」。これまでベッキーがやって来たことを総動員して火をつけて大爆破させたような役。元気いっぱい、働きまくっていたエネルギーを“復讐鬼”のアクションにすべて注ぎ込んだ印象を受ける。昔から元気でパワフルで、それを、世間一般の好感度という檻に閉じ込めていたのだと思う。  そこから放たれたら、もはやこわいものなし。フリーダム。そう、実はベッキーが変わったというのは読み違いで、じつはそんなに変わってないのかもしれない。だって、12年の彼女のヒット曲「ヤルキスイッチ」(ベッキー♪#名義)の歌詞を見ても思う。「綺麗に燃え尽きたいの」「飛び込むのよ!今すぐ」などと書いてある。

炎上という炎のなかで見事に復活を遂げた

 ベッキーが実際どういう人なのか私は知らないが、俳優をやっている限りはいろんな役を演じたいだろうし、ベッキーは元々、監督や演出家が求めるものを的確に表現することができる才能があったのだと思う。バラエティー番組でも的確なりアクションや発言をしてきたクレバーな人なのだ。  だから、完璧に明るく元気な女の子像をキープし続け、いまはまた、監督の期待するような、怪演をしてみせたのだろう。 「初恋」で良かったのは、彼女の起こす殺戮の原動力が「愛」であること。ただのこわい人ではない。  ベッキーは炎上という炎のなかで見事に復活を遂げた。  余計なお世話ではあるが、東出昌大もベッキーみたいに復活のチャンスがあるといいですね。 <文/木俣冬>
木俣 冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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