夢枕獏の大ヒット小説を映像化したドラマ「陰陽師」が、3月29日にテレビ朝日系列で放送されます。 　原作は、小説家・夢枕獏による、平安時代を舞台に怨霊を祓う陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた人気シリーズで、全世界の総発行部数は800万分を超えています。 　ドラマでは、主人公の安倍晴明を佐々木蔵之介、相棒の源博雅を市原隼人が演じ、女優の剛力彩芽も出演することで話題になっています。 　かれこれ20年前、日本では空前の“陰陽師ブーム”が巻き起こっていました。その大きなきっかけの一つは2001年に滝田洋二郎監督、狂言師・野村萬斎の主演で映画化された「陰陽師」。原作は、今回のドラマ同じく夢枕獏の小説で、観客動員220万人・興行収入32臆円を記録する大ヒットを記録しました。 　占術を司りアクロバティックに宙を舞い敵を倒す、野村萬斎演じる安倍晴明は、”野村萬斎を超える晴明はなし”と世に言わしめ、千年の時代を超えたヒーロー像として多くの人々に愛されました。その人気は熱を冷ますことなく、2年後に映画「陰陽師Ⅱ」も公開されています。 　また、同小説からのドラマ版もたびたび制作され、2001年にNHKで稲垣吾郎主演で連続ドラマ、2015年にはテレビ朝日で当時の市川染五郎（現在は十代目 松本幸四郎）主演のスペシャルドラマが作られています。 　これらの見どころのポイントとしては、超人的な安倍晴明と彼の親友で人の良いお坊ちゃんキャラ・源博雅（みなもとのひろまさ）のコンビのバディ感です。 　映画版では、野村萬斎・伊藤英明、ドラマ版はそれぞれ、稲垣吾郎・杉本哲太、市川染五郎（当時）・KinKi Kids堂本光一が演じてきました。 　今回のドラマでは、佐々木蔵之介・市原隼人という年の差キャスティングですが、彼らがどんなコンビ感を発揮してくれるのか楽しみですね。 　また、陰陽師といえば、フィギュアスケーターの羽生結弦選手が、映画「陰陽師」のサウンドトラックから作り上げた「SEIMEI」というパフォーマンスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 　2018年平昌五輪で金メダル2連覇を果たした伝説のプログラムです。平安時代の日常着である狩衣をモチーフにした衣装で、能や狂言の動きを取り入れた振り付けを取り入れた舞は、安倍晴明が憑依（ひょうい）しているかのようだと絶賛の声を集めました。 　野村萬斎がトーク番組「A-Studio」(TBS系2019年1月25日放送)出演時に語ったところによれば、安倍晴明の決めポーズの一つである、顔の前方で人差し指を立てる仕草をする時にに、もう一方の手を頭上で翻すのも重要だと羽生選手にアドバイスしたこともあるそうです。