
岡野玲子「陰陽師 5」 Jets comics 白泉社
夢枕獏の小説「陰陽師」を原作にした、岡野玲子の漫画「陰陽師」も、陰陽師ブームの火付け役となりました。
怨霊たちの描写や、原作から離れた創作を流麗な絵柄で描き全13巻を通して大ヒット。2006年には第37回星雲賞コミック部門を受賞しています。

京極夏彦「文庫版 姑獲鳥の夏」 (講談社文庫)
そして、小説家・京極夏彦の大人気作品である、百鬼夜行シリーズも、陰陽師ブームを語る上では外せません。主人公の中禅寺秋彦は、中野で古本屋を営みながら、家業は「武蔵晴明神社」の宮司で陰陽師という設定。
「この世には不思議なことなど何もない」が口癖で、そのクセの強いキャラクターには根強いファン多数です。

志水 アキ 作、京極夏彦原作「姑獲鳥の夏」KADOKAWA
シリーズ第1弾の「姑獲鳥の夏」は、京極夏彦のデビュー作品でもあり、シリーズの累計発行部数は1000万部を突破し、漫画・アニメ化、堤真一主演での実写映画化に橘ケンチ主演で舞台化もされました。
京極夏彦作品をきっかけに陰陽師に興味を持った人も多いのではないでしょうか。
陰陽師はアニメとの親和性も高く、「東京レイヴンズ」「真夜中のオカルト公務員」「少年陰陽師」などは、安倍晴明の血筋や一族が主人公です。
陰陽師ブームの当時、安倍晴明にまつわるスポットも大人気に。
一番人気は、京都にある安倍晴明をお祀りした神社「晴明神社」。晴明が陰陽道に用いていた祈祷呪符のひとつ「晴明桔梗」という五芒星の社紋が、鳥居の額に輝いています。
晴明が念力により湧出させたといわれのある井戸「晴明井」から湧き出る水は現在でも飲むことが可能で、ご利益がありそうです。
陰陽師ブームの頃は参拝客でごったがえし、晴明神社のお守りや魔除けステッカー、絵馬などは、五芒星の社紋があしらわれていて可愛いと大人気でした。
他にも安倍晴明にまつわるスポットは多々あります。安倍晴明の出身地は諸説ありますが、大阪出身説が有力だそうで、大阪市阿倍野区には「安倍晴明神社」が。こちらも陰陽師ファンからの聖地となっています。曜日ごとに先生が変わる占いコーナーが人気だそうです。
奈良県にある日本三文殊の第一霊場「安倍文殊院」は、安倍晴明のルーツが分かるお寺。安倍晴明が陰陽道の修行をしたといわれており、2004年、安倍晴明千回忌を迎えるにあたり200年ぶりに晴明堂が再建されました。
東京都内にも安倍晴明ゆかりの地はあります。葛飾区内で最も古い神社「五方山 熊野神社」は、安倍晴明によって勧請され、千年の歴史を持つ由緒正しい神社。近年はパワースポットとして最強だと話題を呼んでいます。
時代を超えて人々を魅了する、陰陽師という存在。佐々木蔵之介演じる安倍晴明で、再び陰陽師ブームが到来するかも!?
<文/満知缶子>
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満知缶子
ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。