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二重国籍をめぐって蓮舫氏を批判する人たちに抱く“違和感”「日本で活動してきたのは周知の事実」

 2024年6月20日に告示され、7月7日に投開票が行われる東京都知事選挙。  2016年より8年間、東京都知事を務めている現職の小池百合子氏の近日中の立候補が予想される中、5月27日には立憲民主党・蓮舫参院議員が出馬を表明し、さらに注目を集めている。  これまでの小池都政を振り返った前編に続き、後編では、変化してきた小池都知事と自民党の関係性、東京都の区市村長が小池氏におこなった出馬要請、蓮舫氏の二重国籍問題などについて、ヒップホップから政治コメンテイター、言論人としてマルチな活躍をしているラッパーのダースレイダー(@DARTHREIDER)が解説する(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。

「小池vs自民党」の構図は消え、今は自公協力体制

ダースレイダー氏

ダースレイダー氏

 最近の小池都知事が応援した、東京15区の衆議院補欠選挙の乙武洋匡候補(無所属)、目黒都議補選の井沢京子候補(自民党)は落選しています。本人の選挙ではないにしろ、かつてのような、選挙の強さが維持できているのかは未知数です。  小池都知事は8年前に初めて都知事選に立候補した際、自民党と喧嘩をすると言い、崖から飛び降りる気持ち、という表現で無所属で都知事選に打って出てきました。「小池vs自民党」という対決を打ち出し、1期目の選挙に当選したわけです。ただし8年経った今、小池都知事は選挙でも自民党、公明党との協力体制を強くすると公言するなど、自民党との距離が非常に近くなっています。  実は小池都知事の元側近である小島敏郎さんの「私は学歴詐称疑惑の隠蔽工作に加担してしまった」という旨の告発(『文藝春秋』2024年5月号や外国人記者クラブでの会見)の中では、自民党が学歴詐称の追求に手を緩めることとバーターにして、自民党との協力体制はでき上がっていったのではないか、という疑義が呈されています。  その場合、現在の小池都知事と自民党との協力体制というものも、実はこの学歴詐称ありきで、さらに言えば学歴詐称を隠蔽し続ける限り自民党との距離感は密接なままであるという可能性が指摘されているわけです。  自民党は、この都知事選では独自候補の擁立を見送っていて、直近の衆議院補欠選挙でもすべて敗北しています。裏金疑惑への説明、およびそれを受けての政治資金規正法の改正の内容でも支持を回復できるような動きはできていません。  自民党に対する逆風は今までになく強いものになっています。その自民党と一蓮托生のスタンスになってしまっているのがどう響くかが、小池都知事の個人としての選挙戦のポイントになってくると思います。また、自民党としても小池さんと相乗りすることで選挙に勝利し、これまでの連敗ムードに終止符を打ちたいという思惑もあるようです。

国政とは切り離せない都政

2024年5月27日の出馬表明会見 ※蓮舫氏公式サイトより

2024年5月27日の出馬表明会見 ※蓮舫氏公式サイトより

 一方の蓮舫さんは、立憲民主党を離党する意向を示しています。知事など地方自治体の長は党派性を超えて、さまざまな人の代表として知事職につくわけですから、党を離党して無所属で出馬することはよくあります。  大阪府知事の吉村洋文さんのように、維新の会に所属したまま知事をしている人もいるので、必ず無所属でなければいけないということはありません。公約などはこれから叩き上げていくということですが、出馬表明の会見で明確に言っていたのは、「反自民」「非小池都政」というキーワードでした。  自民党の裏金問題は地方議員も含めた党全体の問題です。その自民党と連携している小池知事に今後の都政を任せられるか? という意味で“小池都政をリセット”すると表明しています。  これに対し、地方自治体に国政の状況を持ち込むべきではないとの批判もあります。だからこそ、立憲民主党を離党し、無所属で出馬するということではあると思いますが、地方自治体とはいえ東京都レベルの知事になったときに、国政と全く無関係ではいられないと思います。  一方、今国会では地方自治法の改正もあり、むしろ国のほうが地方自治を弱める方向で動いているのでは? という批判もあります。今、地方自治と国政の関係について議論するのは大事なタイミングだと思います。  小池都知事も、元国会議員です。前述したように自民党と喧嘩すると言って都知事選に出馬、当選。その後、自民党の二階元幹事長や萩生田自民党都連会長とは良好な関係を保ちながら東京五輪などの国家レベルのイベントでも存在感を発揮してきました。国政を持ち込むなという批判は、小池さん側からは持ち出せないとは思います。
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区市村長が小池氏に出馬要請をする不気味さ
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