今年の紅白“ダークホース”M!LK「イイじゃん」は何が凄いのか?“ずば抜けて”いるのは…
サプライズ不足が心配されている今年の紅白ですが、ひょっとすると番組史上最も“ヘン”な曲が歌われることになるかもしれません。
それは、白組で初出場を果たした5人組グループ・M!LKの「イイじゃん」という曲。今年3月にリリースされて以来、TikTokを中心にSNSで大バズりしました。まだ歌唱曲目は発表されていませんが、間違いなくこれで決まりでしょう。
この「イイじゃん」、歌い出しはよくあるアイドルポップスです。特に、Ⅲ7 → Ⅵm → Ⅴm → Ⅰという流れは、いきものがかりの「ありがとう」などでも聞かれる、J-POPの王道中の王道のコード進行です。
歌詞も甘くロマンティックなフレーズで、<誰かの為に生きないで 君は君らしく輝けばイイ>というフレーズを見れば、ド直球のラブソングだと思うでしょう。
曲全体の雰囲気は、嵐の「Love So Sweet」あたりを思わせる、完全無欠の爽やかで軽やかなアイドル歌謡なのです。
ところが、その爽やかパートが終わると、突如として曲調が変わります。パステルピンクの衣装からダークなトーンに変わるのに合わせて、音楽も重低音が鳴り響く激変ぶりです。
ここで、タイトルの「イイじゃん」が登場します。<今日ビジュイイじゃん 盛れててイイじゃん めちゃくちゃイイじゃん>と、歌詞の口調もワイルドになります。
SNSで大バズりした白組初登場のM!LK
突如変わるダークトーンと“イイじゃん”の衝撃
そして、この部分ではコードやハーモニーやメロディといった要素よりも、リズムと語りが強調されます。その中で、「イイじゃん」という言葉の持つ響きの面白さを反復させることで、音楽的効果を生み出しているのです。 10代が多いと言われるM!LKのファンにはわからないかもしれませんが、筆者は1992年に世界的な大ヒットを記録したRight Said Fredの「I’m Too Sexy」を思い出しました。親世代なら懐かしく思うはずです。
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