笑顔がたまらない…NHK朝ドラ『風、薫る』で注目の28歳俳優・小林虎之介が、視聴者の心を鷲掴みにするワケ
見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)で、第1週第1回からレギュラー出演中の小林虎之介に多くの視聴者がときめいている。
『風、薫る』第4週第19回に素晴らしい場面がある。主人公・一ノ瀬りん(見上愛)が、幼い娘を取り返すために故郷の栃木に単身で乗り込む。
横暴な夫・奥田亀吉(三浦貴大)の元から逃げて文明開化真っ只中の東京暮らしを始めたというのに、亀吉の部下が娘を連れ去ったからだ。
強力な助っ人でもいればいいのに……、と思って画面を見ていると栃木に到着したあたりにタイミングよく、りんの幼なじみである竹内虎太郎(小林虎之介)がいた。
東京に逃げて以来の再会。りんはホッとする。お互いに嬉しいが、虎太郎はもっと嬉しい。りんが見上げる丘の上に立つ虎太郎が、小坂をザザザっと駆け下りる。その瞬間、巻き起こる砂煙……。
砂煙は引きの画面上手方向へ少しだけたなびく。あぁ、こういうさりげない画面上の動きに出会うこと、そしてそれが才能溢れる俳優の躍動感を伴っていることこそ、映像作品を楽しむ醍醐味なのだとつくづく思う。
りんの元まで一目散に下りてきた虎太郎は、彼女との再会を全身で喜ぶ。勢いがつき過ぎて彼の口から飛沫がとぶ。
虎太郎役を演じる小林虎之介の演技が高揚するあまり、とびだしたその美しい飛沫が、丘の上を照らすやわらかな陽光によって際立ち、何とも感動的なのである。
小林が演じるのは主人公・一ノ瀬りん(見上愛)の幼なじみ。素直な性格の役柄が俳優本人の演技スタイルと見事にマッチしている。誰もが思わず応援したくなり、と同時に見る者の心を鷲掴みにする。 俳優デビューは2021年。以来、地道に出演作を重ねてきた。いつでもブレイク待ちの状態だった。その意味で、連続テレビ小説初出演作でもある本作は小林虎之介にとってはキャリアを大きく前進させるチャンスだ。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
巻き起こる砂煙と飛沫に感動
小林虎之介が天下を取れるチャームポイント
小林虎之介は、演じるキャラクターの気持ちを全身で、全力で表現する。役柄の高揚感を見事に屈託ない形でアウトプットするスタイルは、見る者の心にストレートに伝わりやすい。そして彼が役に心血注ぐ情熱を素直に応援したいと思わせる。 そのため、とにかく真っ直ぐな性格だけが取り柄の役柄とのマッチングが多い。初主演ドラマ『ひだまりが聴こえる』(テレビ東京系、2024年)で演じた佐川太一役は好例だった。 太一は同じ大学に通う、聴覚障害者の杉原航平(中沢元紀)の受講をサポートする役目を買ってでるのだが、発端となる出会いの場面がこれまた躍動感に溢れていた。 航平が一人で弁当を食べているところへ、林の中をザザザっと転がるように下ってきた太一。突っ込みどころ満載のドタバタ展開もご愛嬌といった感じ。 空腹の太一が初対面であるはずの航平の弁当に吸い寄せられる、(何とも図々しいが)ピュアな表情を見れば、途端にすべてが愛しいものに見える。 正義感もある太一は、航平をからかう先輩学生に猪突猛進で殴りかかり、自分も頬にかすり傷を負うが、それもまた愛しい勲章として映る。 手当てをしてもらう場面で、小林がふと見せる笑顔や横顔には心を鷲掴みにされる。特に目尻の下、やや鼻寄りのところにできるシワ。それは単にチャームポイントなだけではない。このシワをもってして、小林虎之助が天下を取れるかもしれないとさえ思ってしまう、強烈な求心力がある。
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