夏の絶品料理「冷やしオバケ」って食べたことある?
まだまだ知らない、夏の味。
私は夏になると、無性に食べたくなるモノがあります。それは「冷やしオバケ」。数年前、あるお蕎麦屋さんで出逢い、そのネーミングに釘付け。「どんなものだろう?」と気になってトライしたのがハマったきっかけです。
実はコレ、夏バテ対策にもオススメの絶品料理。今回はその正体を紹介し、自宅で作れる簡単レシピもご案内します。
お蕎麦屋さんで夏限定メニューとして登場する「冷やしオバケ」。これ、実は、「冷やしキツネ」と「冷やしタヌキ」のミックスのこと。キツネとタヌキが出会い、お互いに「化かし合い」をすることから名付けられたようです。気になるお味ですが、想像を超える美味しさに感動、一度食べたら忘れられない味わいなのです。
ところがこの「冷やしオバケ」、提供するお店が少ないため、非常にレアな存在に。そこで、食べたい時に自分で作ってしまおうというのが今回のねらいです。
【美味しいキツネの作り方】
ジュワーッと口に広がる甘いお揚げ、実は鍋一つあれば、本当に簡単に作れます。
●材料(油あげ2枚分)
・油あげ 2枚
・コンブ出汁(水でも良い) 150ml
・しょうゆ 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ2
●作り方
(1)油あげをザルに入れて、熱湯をまわしかけ、油抜きをする。油抜き不要のものを買えば、この手間は不要。油抜きしたあげを細切りにする。
(2)鍋に調味料をすべて入れて火にかけ、あげを入れる。沸騰したら弱火にして、アルミホイルで落としぶたを作り、5分煮る。上下を返して再び5分煮て、鍋を火からおろしておく。温度が下がることで味がしっかり馴染む。
【タヌキが美味しい理由】
タヌキとは、あげ玉、天かすのこと。そもそも「揚げモノ」は、素材を美味しく仕上げてくれる高温調理法で、素材にまろやかさと旨味を与えてくれます。オバケになることで、キツネ蕎麦にない「コク」と「食感(サクサク感)」が加わり、奥行きのある美味しさが生まれるのです。実際試せば、キツネ+タヌキ=オバケが、1+1=2でないことがすぐに分かります。
さあ、お待たせしました。キツネとタヌキがそろえば、「冷やしオバケ」の完成まであと少し。蕎麦をゆでて、お好みの具材をトッピングするだけですが、オススメは、「チャーシュー」を入れること。美味しさがグーンとさらにアップ! 老舗蕎麦屋に負けない「冷やしオバケ」の作り方をご紹介します。
⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=127746
●材料(2人分)
・蕎麦 2人分
・キツネ お好み量
・タヌキ お好み量
・チャーシュー(市販のものでもOK) 4枚
・キュウリ 1本
・ネギ 1/2本
・なると 4枚
・錦糸玉子(温泉卵でも可) 卵2個分
・ミニトマト 2個
・そばつゆ 適宜
●作り方
(1)キュウリとネギは細切り、チャーシューやミニトマトは食べやすい大きさに切っておく。
(2)蕎麦を表示時間通りにゆでて冷水に取り、しっかりと水切りをして器に盛る。キツネ、チャーシュー、キュウリ、錦糸玉子、ミニトマト、ネギを並べ、そばつゆを注ぐ。食べる時にタヌキをたっぷりふりかけていただく。ワサビや七味唐辛子を添えて召し上がれ!
さあ、夏が終わるその前に、夏の風物料理をお試しください!
<TEXT,PHOTO/スギ アカツキ>
化かし合うから「冷やしオバケ」
「冷やしオバケ」の作り方
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12