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注目の俳優、“二世ならでは”の悩み「父は監獄にいると嘘ついたことも」

 いま注目のジョン・デヴィッド・ワシントンは、米映画界を代表する名優デンゼル・ワシントンを父にもつ二世俳優。しかし、かつては偉大な父の存在を隠し、「父親は監獄にいる」とウソまでついていたという。なぜそんな突飛なウソをついてまで、父デンゼルとの親子関係をひた隠しにしたのだろうか?

有名俳優の親のもとに生まれて

ジョン・デヴィッド・ワシントン

ジョン・デヴィッド・ワシントン

 大物俳優の父デンゼルと、同じく役者の母ポーレッタの間に生まれたジョン。9歳の時には、デンゼルの主演映画『マルコムX』に端役で出演したことも。しかしその後は、アメリカンフットボールの特待生として大学に進学、卒業後はプロのアメフト選手として活躍した。  アメフトを引退したのち、2015年ころより俳優活動を開始。2018年の話題作『ブラック・クランズマン』で主役を演じ、注目を集めた。しかし当初は、デンゼルの息子であるという事実は隠していたという。  ジョンの父デンゼルは、映画や舞台の栄えある賞をこれまでいくつも受賞している実力派俳優。
デンゼル・ワシントン

ジョンの父は名優デンゼル・ワシントン(C)Featureflash

 黒人俳優といえば、かつてはいわゆる“悪党“か、コメディー映画でコミカルな役を演じることがお決まりだったというが、そんなハリウッドの慣習を打ち破ったことで知られるのがデンゼル。「黒人らしい」脇役しか演じる機会を与えられなかった時代に、自分が良いと信じるオファー以外は断り、誇り高い黒人男性の姿を演じることで、社会派俳優として確固たる地位を築くことに成功した。  そうした姿勢は業界内でも高く、2001年にはアフリカ系アメリカ人では2人目となるアカデミー主演男優賞を受賞している。

僕の父親が誰なのか分かると、人がどうなるのか分かっていた

 そんな偉大な俳優を父に持つジョンは、有名人の親をもとに自分自身を評価してほしくないとの思いから、以前はウソをついていたと語る。このたび、ファッションサイト『ミスター・ポーター』のインタビューページに登場したジョンは、こう語っている。 「僕はデンゼル・ワシントンの身内だ。僕の父親が誰なのか分かると、人がどうなるのか分かっていた。父親が建設作業員とか監獄にいると嘘をついたことがある。普通でいたかったからね。たとえ僕に才能があったとしても、それを真剣に受け取ってくれないと感じたんだ。父親のおかげだってね。だから、自分の父親が誰なのか隠したんだ。自己防衛だと思う」  とはいえ、親子の仲は良いようで、コロナウイルスのパンデミック中は、両親と共にロサンゼルス・ビバリーヒルズで隔離生活を送っているという。近所には弟や妹たちも住んでいて、家族と一緒の時間を楽しんでいるそうだ。 「大好きだよ。僕の家族は良いハウスメートなんだ。彼らは楽しいよ。実際、時々僕の方が親のような気になるしね」  そんなジョンは、“世界でも最も次回作が期待される映画監督”といわれるクリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』で主演を務めている。日本でも9月18日公開となる本作は、「時間の逆行」という斬新なアイデアで描かれるタイムサスペンス超大作で、同監督の最高傑作としてすでに大きな話題を集めている。
 ちなみに、ジョンの父デンゼルは、白人女性とのキスシーンを断ることで知られている。黒人男性と白人女性の「異人種間の恋愛シーンは攻撃の対象になりやすい」というのがその理由で、実際に映画の中で白人女性とキスシーンをした際に、ブーイングを浴びたことがあったらしい。ただ、そうした人種的な配慮をしているデンゼルに対し、過去に共演した白人女優たちはデンゼルとのキスシーンが問題になるとは特に思っていなかったようだ。共演女優の1人、ジュリア・ロバーツは「いつキスできるのだろうと撮影の間ドキドキしていたが、ハグと頬へのキスで終わってしまい、がっかりした。何の問題もないのに」と語っていたといわれている。  そんな父の背中を見てきたジョンが、米国に根強くある人種の壁をどう乗り越えていくのか。今後の活躍に大いに期待したい。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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