Entertainment

『鬼滅の刃』主題歌を歌うLiSA、アニソン苦手な人にも聴かせる歌ぢから

劇場版の「炎」にみる、ちょうどいい距離感

 そして、今回の「炎」は、ガラッと変わってバラード。こちらも、表情は情感たっぷりなのに、歌はそれにつられていない。“世界観”という悪しきワードにとらわれてしまいそうなところを、LiSAの寸止め力によって逃れている。ボーカル、曲、聞き手が、ちょうどいい距離感でつながれるのですね。  インパクトで言えば「紅蓮華」のほうがあったのかもしれませんが、ボーカリストとしての本質は、「炎」がより伝えているのではないでしょうか。  かぶいているようでいて、常識的。今後、アニソン以外でも、その魅力を発揮できるのか、楽しみにしたいと思います。 <文/音楽批評・石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ