自分も毒親になりかねない恐怖 「見て見ぬふり」も子にとっては毒
こんにちは。恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。
2回にわたり、毒親について母娘*謎解きカウンセラーの高橋リエさんにお話を聞きました。「毒親かどうかの判断の基準は、子どもがどう感じているか」であることや、自分の親が毒親だった場合、どのように付き合っていけば良いのかなど、教えてもらいました。
※毒親=米国のスーザン・フォワード(医療関係のコンサルタント、グループ・セラピスト)が作って1989年の著書で使った言葉。学術的な定義はない。
しかし、ふと疑問に思うことがあります。それは毒親ってほとんどが母親なのか? そして、自分が今後毒親になる可能性もありうるのかという不安です。今回は、筆者の実体験も少し交えながら、「自分が毒親にならないため」に今できることを考えます。
毒親と聞くと、多くの方が母親をイメージすると思います。実際毒親の多くは母であることが多いのですが、中には「毒父」もいるといいます。
「正直、母親だけとか、父親だけといった、片方だけが毒親であることは少ないです。お母さんが凄く怖かった経験の方は『せめて父親だけでも』と無意識に考え、父親を美化していたりします。しかし、毒の種類が違うだけで、だいたいどちらも毒親であることが多いんです」(高橋さん。以下同)
一般的に、子どもは同性の親を批判的に見やすいといい、男性は父親にモラハラされたという思いや恨みを抱えている人が多いのだとか。また母と父はお互いが毒親であることがほとんどで、パターンも似通うことがあるそうです。
「例えば子どもに罵詈雑言を浴びせる『ジャイアンタイプ』の母親は、見てみぬふりをする『事なかれ父親』と相性がいいです。一見すると毒なのは母親ですし、優しい父という印象を抱きがちですが、父親が子どもを母から守ってくれることはありません。逆に母が怒り出すとどこかに消えてしまったり、母親の肩を持ったりするので、別タイプの毒と思って良いでしょう」
確かに一方が極端に強く、もう一方が尻に敷かれる関係の夫婦はよく見かけます。攻撃する親も毒ですが、守ってくれない親も改めて考えると、れっきとした毒親なのです。
今回高橋さんのお話を聞いて、自分の生育環境を改めて振り返ると同時に、私は1つの記憶を思い出し背筋がヒヤッとなりました。それは「自分も毒親になっていたかも……」という記憶です。
24歳で結婚をしていた私は、当時の夫と「もし子どもができたら、どのように育てたいか」といった話を雑談ベースでしたことがあります。
その時は「多少なりとも厳しく育てた方が子どもはタフに育つと思うから、べた褒めすぎる育て方はどうかと思う」と言った記憶があります。それに対し夫は「俺もそう思う。なんならちょっと鉄拳制裁くらいあった方がいい」と言っていた記憶があり、私も当時は同意していました。

毒親は「母」だけじゃない
自分も毒親になりかねない不安
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