一点ものの古着とは一期一会、ヴィンテージを日常に取り入れてみて
古着選びは一期一会を生かせるかどうかの真剣勝負の場
70年代か80年代の古着の手編みセーター
さて、サムネイルのフェアアイル柄のセーターは日本の古着屋で購入したもの。実は、これはどこかのブランドのものではなく、どなたかの手編みのセーターです。
なぜそれがわかるのかというと、ブランドのロゴの入ったタグや洗濯表示は一切なく、そのかわりに前と後ろを示す、毛糸のループが小さくついていたから。
どれぐらい古いのかはわかりませんが、たぶん70年代か80年代でしょう。毛玉も汚れもしみも一切なく、とてもきれいな状態の古着でした。きっと誰かが誰かのために編んだのに、着ないでそのまま放っておかれたものなのでしょう。こんなにきれいに編まれているのに、どうやら誰も着てくれなかったようです。
しかし、どういう経路かは不明ですが、遠く日本まで旅をして、今こうして私が冬に着ているのですから、編んだ人の気持ちは報われたことでしょう。
ちなみにこのセーターは4500円ほどでした。もちろん今売られている同じようなクオリティの新品は、こんな値段では買えません。
古いものを大事に着るということは、とても価値あること
いい質のものは長く着られます。それを着るのは必ずしも一人である必要はありません。誰かが要らなくなったら、次の誰かが着ればいいのです。古いものを大事に着るということは、とても価値あることです。
質が高く、誰かが大事に着ていた服を今必要としている人が着る。そうやっていい服は長い間、生き続けることができるのです。
<文/小林直子>
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ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。
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