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義父の性的虐待のせいで「セックス依存症」に。専門家が理由を解説

複数の依存症を併発する「クロスアディクション」

斉藤章佳さん

斉藤章佳さん

 Bさんは20代と比較的若いものの、セックス依存症に苦しむ女性は10代から60代と幅広い年代に見られます。また過去の性被害のトラウマが原因で、セックス依存症以外にもリストカットや摂食障害、アルコールや薬物依存症など、さまざまな症状が併発することも珍しくありません(クロスアディクションといいます)。そして女性の場合、望まない妊娠や中絶など身体的なリスクもあります。  もちろん性被害が背景にあるセックス依存症者は、男性にも見られます。漫画『セックス依存症になりました。』(集英社)の作者・津島隆太さんは、父親からひどい性的虐待を受けたことを作中で明かしています。  私が実際に受け持った患者さんのなかにも、小学生のころに母親からこたつの中で性器を繰り返し弄ばれる性被害を経験したという人がいました。過去の性暴力被害が性依存症発症のリスク要因になることは、男女問わず起こりうるのです。 <斉藤章佳 構成/目黒川みより>
斉藤章佳
精神保健福祉士・社会福祉士。西川口榎本クリニック副院長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症回復施設の榎本クリニックで、ソーシャルワーカーとしてアルコール依存症をはじめギャンブル、薬物、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニア(窃盗症)などあらゆる依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに3000人以上の性犯罪者の治療に関わる。著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』『盗撮をやめられない男たち』など多数
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