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『STAND BY MEドラえもん2』宇多丸の酷評に納得。菅田将暉の主題歌まで“ドラ泣き”ねらい

お約束通りの「泣き」を求める

 前作についても、「みなさん、これお約束だからわかってね、みたいな甘えた作り」「ドラ泣きという売りは心底下品」(2014年、「ウィークエンド・シャッフル」での発言)と辛辣だった宇多丸氏が、今作は「それすら破壊してしまった」と語るほどなのですから、失望感は相当なもの。  あらかじめ泣きたい客のために、泣ける仕掛けだらけの映画を提供する制作サイド。大味でハイカロリーな感動による利害の一致は、あまりにも不健康と言わざるを得ません。  憤懣やるかたないといった宇多丸氏の物言いは、映画そのものを厳しく批評するというより、日本にくすぶるいびつな精神状態への警鐘を鳴らしているように感じました。  主題歌「虹」も、その症状のひとつなのでしょう。 <文/音楽批評・石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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