今回の騒動は、五輪組織委員会を含め、旧態依然としたいろいろなシステムにメスが入れられ、性差を含む様々な差別のないフラットな社会へ変わる機会になるだろうか。
東京五輪に関してはもう間に合わないだろうが(後任の橋本”キッス”聖子は、森の愛弟子だ)、将来的にその可能性はなくもない、ただそう簡単にいくものでもないだろうなと感じている。
20年ほど前、支持率が一割を切ってしまった森内閣はあっさりと解散し、代わって登場した内閣は支持率が8割を超えるほど国民を熱狂させた。そして個人的には、今の日本をダメにした元凶は、圧倒的に後者のほうだと思っているからだ。

(画像:首相官邸サイトより CC BY 4.0)
ともあれ、ホモソーシャルというものが子供のころから今に至るまでめちゃくちゃ苦手だった私は、これで世の中の風向きが変われば喜ばしい。
しかしホモソーシャルが絶えるのも寂しい。先の森喜朗の学生時代のエピソードを抜き出しながら「どちらが受けでどちらが攻め?」と薄い本を描きたくなってしまったのだが、こちらにとっては完全な異性である分、ゲイの幻想と相性がいいのである。
そうだ。ホモソーシャルは、ホモの社会でのみ生き続ければいい。
<文/サムソン高橋>
【サムソン高橋】
ゲイライター。雑誌「SAMSON」編集者・ライターとして勤務後、フリーに。著書に『世界一周ホモのたび』『ホモ無職、家を買う』(ともに画 熊田プウ助)など。