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新婚ホヤホヤ44歳の私が出家した理由。スキンヘッドに夫の意外な反応とは

34歳の大失恋、“おばさんの開き直り”からの44歳再婚

 そんなある日、34歳の頃、生きているのが辛くなるほどの大失恋をした。別居していた夫と離婚話を進め、再婚するつもりだった相手である。つまり、私は不倫していた。  悲惨な不倫の末路に自死も考えたが死にきれず、自業自得だと戒めた。色恋のない世界に行きたくて、出家を考え、漫画の連載を整理し始めた。  ところが人生とは皮肉なもので、この頃から“ラブホテル評論家”としてテレビの仕事が増え始めた。仲良くなったプロデューサーに出家を止められ、美魔女コンテストに出場したのは37歳のときである。
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10か月で24kgのダイエットに成功し、美魔女コンテストで「スリム美魔女賞」を受賞した

 40代を迎えると「自分の人生、もう、こんなもんだろう」という諦めの境地と「もう頑張らなくてもいっか」という安堵の気持ちが入り混じり、おばさんの開き直りと言ってはなんだが「これからは変に他人に気を遣わず、言いたいこと言って好き勝手に生きよう」と思えるようになった。  そろそろ出家の準備に入ってもいいかもしれない、なんて考えていた42歳のある日、ひょんなことから16歳年下の男の子に告白され、付き合うようになった。  結婚なんてまったく考えていなかったが、交際半年後にプロポーズ、知り合ってから1年後に入籍。
入籍当日。新宿・花園神社で

入籍当日。新宿・花園神社で

 出家の夢を語ったら「よくわからないけど、したいことをしたら良いと思うよ」と、あっさり許してくれた。大学を卒業したばかりの社会人1年生だったから、きっと本当によくわかっていなかったのに違いない。

いざ、剃髪!

「得度式」と呼ばれる出家の儀式で剃髪し、つるつるのスキンヘッドになった。お坊さんの頭がつるつるなのは、髪への煩悩を断ち切るためだという。
高野山

得度式に向かう高野山のモノレールにて

 なるほど、確かに頭の毛をすべて剃り落としてみれば、これまで囚われていた「女らしさ」とか「色気」とか「モテ」とか「若さへの執着」とか、いろんなことがどーでもよくなり、みるみる解放された。  何より、シャンプーが楽である。秒で乾く! ドライヤーもいらないし、毎朝髪をセットする必要もない。時間に余裕ができた。  髪を剃り落とす前は、白髪染を2週間に1回、カット6000円、ココナッツ矯正4万円、と、なんだかんだお金をかけていたのに、バリカンで刈り上げてしまえば、お金もかからない。  坊主頭で街を歩いても飲食店に入っても驚かれることはなく、女性が坊主頭にするのは意外と受け入れられるのだな、というのが正直な感想である。多様な人種が行き交う歌舞伎町界隈に住んでいる、というのも関係あるかもしれない。
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剃髪した私に、夫の反応は
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