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子を持つ人生か、持たない人生か。2択で考えてしまう私たちの“呪い”

卵子提供で、自分の遺伝子を残そうとする主人公

『Eggs 選ばれたい私たち』は、卵子提供のドナー制度(以下エッグドナー)をテーマに、2人の20代女性の葛藤が描かれた作品です。子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナーの制度は、日本ではまだあまり知られていません。プロフィールを提出してドナーに選ばれた人は、ハワイやマレーシアなどの海外で卵子を摘出し、謝礼金を受け取るというものです。 プロフィール 主人公の1人である純子は、あと3ヶ月で30歳を迎える独身主義者。結婚したいと思わない反面、いつか生まなかった後悔を抱くかもしれないと考え、エッグドナーに登録することで自分の遺伝子をどこかに残し、“女としての義務”を果たそうと考えます。  そんなタイミングで、同じくエッグドナーに登録をした従姉妹でレズビアンの葵(25)と偶然再会することとなります。  葵は「生理は無駄」という価値観を持っており、純子に母親にドナーに登録したことを秘密にするかわりに居候させて欲しいと持ちかけます。最初は迷惑がっていた純子ですが、だんだんと「子を産まない=女性としての役割を果たさない」という意味で、葵に同士感覚を抱き始めます。  そしてお互いがドナーに選ばれ、遺伝子上の母になることで“女としての義務”を果たそうと考え始めるのです。

30歳目前、選ばれたい私

 この物語で1つ鍵となっているのが、30歳という年齢を迎える前の、純子の焦燥感や戸惑いです。  作中では、純子の周りで身ごもる友人がいたり、婚活を始める友人がいたり、そして見えない将来に迷ったり、自分にとって意味をもたない生理が来たりと、大抵の女性が経験するであろうイベントが訪れ、そしてよくある不安感が描かれています。  こうした悩みの中、純子は「選ばれない自分」に、絶望感や孤独感のようなものを抱いていくのですが、その感覚には、昔の自分が勝手に感じた呪いや、先日私に悩み相談をしてくれた女性が感じていたような焦りと同じようなものが、脈々と受け継がれてきているように感じたのでした。
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「多様性」の時代、女性の生き方の多様性とは
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