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孤児院で育ったサヘル・ローズ、日本でもいじめに「言葉の暴力で受けた傷は消えない」

7歳まで孤児院で過ごし、現在の母と出会う

7歳まで孤児院で過ごし、現在の母と出会う

『女たち』より

――ご自身のお母さまの話題が出ましたが、サヘルさんはイランで生まれ、7歳まで孤児院で過ごされたとか。そこで養母である現在のお母さまと出会われた際に、「お母さん」と呼んだというのは本当ですか? サヘル「本当です。生みの親の顔を覚えているわけではないので、彼女が似ているわけではありません。それに、ほかにもたくさんの大人たちと出会ってきました。にも関わらず、彼女にだけ『お母さん』と言えたんです。すごく不思議な感覚です。母も、『この子のこの言葉をちゃんと受け止めて、親になろう』と、私の言葉をきっかけに思ったそうです。サヘル・ローズという名前も、母がつけてくれました」

言葉の暴力で受けた傷は、大人になっても取れない

――8歳のときにお母さまと来日していますが、ひどいいじめも受けたとか。 言葉の暴力で受けた傷は、大人になっても取れないサヘル「私がヨーロッパ出身だったら違ったと思いますが、勝手にビザがないイメージを持たれてしまって、家探しも苦労しました。知らないと、怖いという感情が先に来てしまうんですよね。不安になる。学校では自分の国のことを否定され、親の悪口も言われました。  子どもって、その言葉が相手を傷つけていると気づかないことがあるんですよね。殴られて傷が出来たり、血が出たほうが、殴ったほうも相手を傷つけてしまったとわかるけれど、言葉のいじめは、傷が見えない。でも言葉の暴力で受けた傷は、大人になっても取れません。中学の3年間は特に辛くて、3年生のときに『死にたい』と、死に片足を入れました」  中学3年生のときに『死のう』と決意し、学校を早退したサヘルさんですが、この日をきっかけに人生をプラスへと転換していくことになります。(※近日公開予定の後編へ続く) 【後編はこちら】⇒女優サヘル・ローズ「中3のとき、“死のう”と決意し学校を早退した」 (C) 「女たち」製作委員会 <文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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