田中圭も体験した怪しいエステ「脳洗浄」。 医師は「ありえない」とバッサリ
摩訶不思議な「脳洗浄」とは
さらに、脳脊髄液には「脳の、神経へ栄養を送り、老廃物を除去する」役割があり、「老廃物が排泄されずに滞ってしまうと、頭痛・めまい・肩こり・腰痛・冷え・生理痛・うつ・関節痛・倦怠感・自律神経失調などあらゆる症状が可能性がある」「脳脊髄液をきちんと流し、脳を活性化する事で結果的に小顔になります」といった持論を展開しています。
でも、「脳洗浄」「脳脊髄液を流す」…などと聞くと、なんだか怖そう…とも感じてしまいます。施術そのものは大変気持ちが良く痛みは全くないそうですが、それはヘッドマッサージと何が違うのか?という疑問の声もあがっています。
外からのマッサージで「脳脊髄液を流す」ことが本当に可能なのか、また脳脊髄液を流すことで小顔になるのか? 美容外科医であり、美容皮膚科医でもある上原恵理先生に、医学的な見解を聞きました。

上原恵理医師
脳脊髄液を流すには大きな手術が必要
――では、その脳脊髄液を“流す”ことで、小顔になるのでしょうか?
「無理です(笑)! たとえば、水頭症という、脳の中に脳脊髄液がたまってしまう病気があるんです。脳脊髄液がたまると脳が圧迫されてしまって、障害がおこってしまうこともある。この病に対して、現代医学ではシャント手術という治療法をとっています。それは、脳にチューブを通して、そのチューブを体の血管につなげて、たまった液を流すんです。そうまでしないと脳脊髄液の移動ってできないんですよ」
――脳脊髄液を流すというのは、大きな手術レベルのことなんですね。
「脳脊髄液に何か問題があるかもしれない人を検査するときや、手術をするときに、脳脊髄液を注射で採取することがあります。腰椎穿刺と言うんですが、そのとき注射の刺し方が悪いと脳脊髄液が漏れちゃって、患者さんの脳脊髄液が足りなくなることも…。そうすると、めちゃくちゃ頭が痛くなってフラフラして、治るまでに一週間くらい寝込むほど辛いんです。
だから、脳脊髄液の量って、適切な量が脳内で厳密に管理されているんです。もし、マッサージなどで脳脊髄液のバランスが変わったりしたら、大変なことになるんですよね」


