「セックスしないと更年期が早まる」はウソ!でも“推し活”はおすすめな理由
こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
大人女性なら、いつか通る道である「更年期」の問題。これまで3回にわたり、「対馬ルリ子女性ライフクリニック」の産婦人科医・石山尚子先生に、まだまだ知られていないプレ更年期のことや、女性の体の仕組みなどを教えてもらってきました。
ところで更年期の問題を調べていると、様々な “うわさ”に出くわすこともありますよね。前回も少し触れましたが、皆さんも、こんな話を目にしたことはありませんか?
・セックスをしていないと更年期は早まる
・恋愛していると更年期症状が出ない
・子どもを生んでいないと更年期障害が重い
などなど、これって本当? と思うこともチラホラ。今回はこんな話の真偽も石山先生に聞きながら、一生女性を“快適に”謳歌(おうか)していくためのお話を引き続き解説してもらいましょう。
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「恋愛しているといつまでも若々しくいられる」
とは良く言いますが、つまり恋愛していればプレ更年期の諸症状も出にくいということなのでしょうか。(以下、「」内コメントすべて石山先生)
「恋愛と女性ホルモンの関係に医学的な根拠は残念ながらありません!」
少しだけ期待した「恋愛とホルモン」の関係ですが、残念ながら医学的な根拠はないといいます(残念)。ただ、先生の患者さんの中には、恋愛をして自律神経が整い、閉経したと思っていた生理が復活した人もいたそうです。でも更年期ともなると既婚の場合も多く、本当の恋愛をするのは立場的に難しい人もいますよね。先生は、更年期の患者さんには「推し活(おしかつ)」を進めているとか。
「好きな俳優やアイドルに夢中になり、ドラマを観たりコンサートに行ったりする。こうした、ときめきを感じるような活動『推し活』は、積極的に持つことを勧めています。更年期の諸症状は“治る”ということがありません。日常をいつもちょっとした“ときめき”で満たすだけで、ストレスなども変化し、更年期症状にも良い影響があると思います」
ちなみに当たり前ですが、恋愛やときめきを何とか作ろうと思い、無理に旦那さんとデートしたり、セックスレス解消に動いたりするのが正解……ではありません。もちろん旦那さんにときめきを覚えるなら、多いにオススメしたいのですが、あくまでも、心の充実と満足が大切なのです。
「セックスに関しては、よく『セックスをずっとしていた方が、更年期障害になりにくいんですか?』と聞かれることもあります。これは、セックスが当人にとって楽しいか苦痛かで変わってくると思っています。パートナーとのセックスが楽しくて気持ちが満たされるなら、それは行為によって心も満たされ、自律神経も整います。しかし、義務感や苦痛を感じながら行為に応じていては、当然心には良い影響がありません。そういう方には、逆にストレスになり、更年期症状にも良くない影響が考えられます」

「セックスしていると更年期障害が軽い」はウソ? ホント?
日常を “ときめき”で満たせば、更年期症状にも良い影響

「対馬ルリ子女性ライフクリニック」の産婦人科医・石山尚子先生