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「婦人科がどうも苦手」な人に知って欲しい、受診をラクにする“ちょっとした準備”

 こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。  アラフォーになって、生理の周期や量が変化したり、めまいや多汗といった、今までにない不調が体に出始めたり……今までにない不調が体に出始めたら要注意。いろいろな原因が考えられますが、早い人では30代後半から始まると言われる「プレ更年期」の諸症状にも当てはまるからです。 更年期 クリニック選び 前回前々回と、「対馬ルリ子女性ライフクリニック」の産婦人科医・石山尚子先生に、大人女性が通る道である「プレ更年期」の詳細や、起きる仕組みを解説してもらいました。  更年期について、事前に筆者が当事者の方々に聞いたお話の中には、「不調があってクリニックへ行ったものの症状をうまく理解してもらえなかった」「満足のいく治療計画を立てられなかった」といった悩みもありました。  女性の人生におけるQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を上げるには、婦人科系の不調とうまく付き合うことも欠かせません。それを叶えるには、自分の体のことをよく知り、何でも相談できる、かかりつけ医を作っておくのが大切です。  そこで今回は「もしかしてプレ更年期?」と感じた時、受診タイミングの目安とクリニックの選び方、満足度の高い治療を受けるためのポイント、持っておくべき知識について、石山先生の解説とともに紹介します。

「なんか変かも」体の不調。病院にかかるタイミングは?

 プレ更年期という呼び方は医学的な名称ではありません。そのためなのか、体調に変化を感じていても、「我慢すればいいか……」とやり過ごす人もいるかもしれません。しかし石山先生は「辛いなら、なるべく早くクリニックに来てほしい」と警鐘を鳴らします(以下、「」内コメントすべて石山先生)。
石山尚子先生

「対馬ルリ子女性ライフクリニック」の産婦人科医・石山尚子先生

「医師としては、どんな些細(ささい)な不調でも、早めに相談には来てほしいと思います。ただ、忙しい毎日の中で現実的には難しいことも分かっています。クリニックに来院される目安としては、プレ更年期(と分かっていてもいなくても)による諸症状が、日常生活に支障をきたすほどになっていると感じたら、病院に来るのが良いのではと思います」  例えば生理がキッチリ終わらず、おりものシートが欠かせなくなったとか、めまいやだるさによって、以前のようにバリバリ働けなくなったなど。症状によって日常生活にも影響するようなら、それは専門機関の出番ということです。
不調 婦人科

写真はイメージです(以下同じ)

「更年期症状の治療は、“薬を出したら即解決”ではありません。そのため、症状が重くなればなるほど、それだけ回復にも時間がかかるんです。また治療方針もいくつかあるため、患者さんに合ったものを見つける時間も必要です。私の患者さんにも『こんなに楽になるなら、もっと早くに治療を始めればよかった』と対応の遅さを振り返る方もいます。  ご自身にとっては些細(ささい)な不調かもしれませんが、クリニックの力は早いうちから借りることをおすすめします

自分に合ったクリニック探しのポイントは

 クリニックには早めにかかったほうが良い――とはいっても、女性の中には「婦人科が苦手」と話す人も少なくありません。その点はどう払拭(ふっしょく)していけば良いのでしょう。 医師探し前回記事でも少しお伝えしましたが、自分に合ったクリニック探しは、年1回の子宮がん検診などの時から意識して行えると良いでしょう。クリニックを選ぶ際は、自分の本音をきちんと話し、そして聞いてもらえるか。納得いくまで治療方針を相談し、提案してもらえるか、を見てください。  症状が辛くなってから病院を探すと、合わない医師にあたった時の精神的なダメージが大きいので、心身に余裕がある時から準備できるのが理想です」  もちろんこれは、病院との“理想の付き合い方”になります。更年期による体調不良が疑われるケースで、切羽(せっぱ)詰まっている際の病院選びでは、各医療機関のホームページもポイントになるそう。ホームページに、ピルの処方経験や更年期におけるホルモン補充療法の知識が豊富と感じる記述があるかどうかも、チェックした方が良いといいます。
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受診前の“準備”でも、満足度が変わる!
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