先ほどから何度か出てきた「ホルモン補充療法」ですが、簡単に言うと、卵巣機能の低下によって足りなくなった女性ホルモン、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類を、薬によって補充する「ホルモン療法※」の一種だそうです。
日本人の多くは、いまだに「ホルモン」と聞くと、怖いもの、不自然なもの、身体に良くないもの、といったネガティブなイメージを抱く人が少なくありません。その傾向は、低用量ピルの服用率の低さにも見て取れます。

※ホルモン療法とは、諸症状に対して適切なホルモン剤を投与し、ホルモンの分泌や促進、抑制を目的とする治療法の総称です。例えば、月経困難症に対して低用量ピルを用いたり、妊活のために排卵を促す薬を服用したりするのも、ホルモン療法です。
「『ホルモンを補う』といっても、更年期に行うホルモン補充療法は、足りない分を少し補う程度といえます。ホルモンを人工的な薬で取り入れることに抵抗感がある方が多いのは理解していますが、
仕組みを知ってきちんと取り入れれば、安全なのはもちろん、体の負担を減らし、日々の生活を快適にしてくれるものです。
どうしても抵抗があるのであれば、漢方薬やサプリメントから様子を見ることもできます。こうした心理的な抵抗感も含め、きちんと相談できる医師にかかり、体と向き合っていけるといいですね」
自分の人生・生活の質を上げるために、自分の体と向き合う。大切なことですね。まずは、月経周期と体調のメモからつけ始めてみませんか?
―30代から知っておきたい「更年期」のこと―
【石山尚子】
1996年富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。産婦人科専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務の後、2007年より
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座勤務。
<取材・文&イラスト/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
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