「呼び止められたのが、ちょうど義父母が孫たちを連れて近所の神社へ初詣に出かけた時だったんです」

写真はイメージです。(以下同じ)
なにやら書類を出してきてK子さんの前に広げました。K子さんの目に飛び込んできた文字は“
相続放棄”。義両親が亡くなった場合に相続の権利があるのは義兄、義姉、そして代襲相続によりK子さんの息子です。
「実家は畑を含めるとかなりの広さの土地を保有しており、株も多少持っている、と主人が言っていたのを思い出しました」
そして書類にサインをするように義兄はK子さんに迫りました。正月の宴会の席で突然このような話を持ち出されてもすぐには押印することはできないとK子さんは義兄に伝えます。

「そうすると義兄は、親の面倒をずっと見てきたとか、これまでこんなことをしてきた、って色々と理由をつけてきて、いますぐにここでサインをするように迫られたんです」
義姉夫婦は、まるで他人事のようにみかんを食べながらテレビを見て無関心を装っています。K子さんはまさしく孤立無援の状態に立たされました。
「
正直夫の実家とはこれ以上関わりを持ちたくなっかたのですが、息子の将来のことを考えて必死に食い下がりました」
しかし、義兄も一度話を出した手前、引くに引けず、口調が荒々しくなってきました。