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食料品や光熱費、値上げが進むワケと今後の見通しは

円安で輸入品がどんどん高くなる

 新型コロナウィルスで世界中で行われた金融緩和。世界中にあふれ出たマネーの多くが株式市場だけでなく、市場で売買される原油や穀物など商品先物の投機資金となって流れ込み、それらが原油や穀物の実物価格を上げた側面もあるのです。  そして、仕上げは何と言っても円安です。対ドルだけでなくユーロに対しても日本円は弱含み。このため海外から輸入されるものは、どんどん高くなるのです。  この円安は目先では落ち着く要因が見当たりません。 コロナ、給付金、米ドル アメリカの国内事情を考えると、今年の秋にはアメリカバイデン大統領にとって重要な中間選挙があります。物価高とコロナで、バイデン大統領の支持率は40%ほどと非常に低いのです。そのため物価高を抑えるために3月から立て続けにアメリカの政策金利の引き上げが確実視されています。  選挙に間に合わせるために前倒しで引き上げることになると、さらに大きく円安方向に触れることも予想されます。となると、日本の国内物価を直撃するはずです。

上げ底値上げなど、過去10年間も値上げの流れはあった

 すでにお話ししましたが、日本国内の値上げの流れは今に始まったことではありません。過去10年間もそういう素地はあったのです。  海外からの原材料価格などの値上がりでメーカー側も、小売側も工夫に工夫を重ねてきたのです。小売価格を値上げしたら、購買力のない消費者から拒否されてしまう。そのため、利益幅を圧縮し、人件費を抑えて価格をできるだけ値上げしないようにしてきたのです。  また値上げをするにしても消費者に見つからないように工夫してきたものも少なくありません。生産者側は涙ぐましい工夫をしたのです。 スーパーマーケット スーパー 買い物 それは上げ底値上げと言っていいもの。販売価格は変えずに、今までは1リットルのオレンジジュースなどのドリンクがいつの間にか900ミリリットルに。500グラムのヨーグルトからグラニュー糖が消え、容量は450グラム、400グラムと中身を減らしていった。  納豆は1パック50グラムが当たり前だったのに、容器は変えずに、中身を45グラムどころか、40グラムや35グラムと限界ギリギリまで減らしてきた。今は蓋を開けるとスカスカの商品が増えました。  冷凍食品も8つ入りを7つ入りにする。200グラムなら170グラムにする。ラーメンの麺も1人前120グラムだったものを100グラムに。  価格は変えずに中身を減らす。そんな値上げがされてきたのです。
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今や地方の物価のほうが高い
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