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比嘉愛未、35歳の現在地。「自分の中でつくウソは、もう嫌」

 人気俳優の比嘉愛未さん(35)が、映画『吟ずる者たち』(2022年3月25日より公開中)に出演しました。夢破れ、故郷広島へ戻ったことで家業である酒づくりに再び触れ、生きる目標を見出す主人公・永峰明日香を、等身大の表現力で好演しています。
比嘉愛未さん

比嘉愛未さん

 比嘉さんは、2007年NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」のヒロインに選ばれ、大ヒット作『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など代表作も数多く、今年は写真集も話題になるなど、活躍の場を広げています。  35歳になってますます新たな挑戦をしていく比嘉さんに、今の仕事への想いをはじめ、あこがれの人などを聞いてみました。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

ふと「このままでいいのかな」と思うことも

吟ずる者たち

©2021ヴァンブック(以下、同じ)

――主人公は東京での仕事を辞め広島へ帰り、家業である酒蔵を継ぐわけですが、その選択について思うことはありましたか? 比嘉愛未(以下、比嘉):とてもかっこいいと思いました。同じ女性として尊敬しますね。どの仕事でも、たとえ時間がかかっても、覚悟を持った女性は絶対に“大丈夫”だと思います。覚悟は自分でしか決められないし、人に決めてもらうことでもないので、そこから自分のペースで切り開いていくことが大事だと感じます。 ――彼女の選択・決断・行動には、観ていて学びがありますよね。 比嘉:わたしとも世代が近いので、思うことはありました。人生このままでいいのかな? と思うことが、わたし自身にもなくはないんです。今はありがたいことに自分が好きなお仕事で夢を追いかけて来て、今もなお、お仕事をいただけていることは感謝しているのですが、「このままこの先どうなっていくのか」「自分はどう進化していけばいいのか」と。他の人を見たりして、ふと、わたしってこのままでいいのかなと思ってしまいます。明日香もきっと同じで、挫折して、地元に帰って一回ゼロに戻ろうとするんですよね。そういうところはとても共感します。  ネガティブなことではないと思うんです。自分は何が好きで、何が好きじゃないかは、その都度自分で確認していかないと、ただただ流されていって見失ってしまいがちです。明日香もそういう意味で言うと、極端ではあるけれど、地元に戻ったことで、酒づくりという自分がやりたかったことの原点に戻れたんだと思います。それはわたしも共感できたので、明日香の成長していく姿、進んでいく姿に自分の思いも重ねながら演じていました。

「今の自分は何を求めているのか」考えられるように

吟ずる者たち――人生を懸命に生きようとする人に響くような物語でしたね。 比嘉:今の時代に当てはまる物語だなと思いました。明治時代にあった実在する人物の物語だけではなく、現代の明日香を主人公に、もうちょっと深いところでの精神論も要素としてあるんですよね。わたし自身もようやくですけれど、少しずつ自分が強くなれている気がするんです。周りがどうかではなく、情熱を注げるものであったら、それにとことん向き合ったほうがいいなと。良いも悪いも受け入れて、そうやって開拓していく。人生は、その繰り返しじゃないかなと改めて思いました。 ――ところで、3月には3年ぶりの舞台もあり、お仕事は順調だと思いますが、デビュー15年を経た今、改めて想うことはありますか? 比嘉:それこそ最近のことなのですが、コロナ禍もあいまって、自分自身にしっかり向き合う時間が取れたんです。忙しいことはありがたいことですが、常にお仕事が来て、インプットとアウトプットを繰り返していると、自分に向き合う時間がないんですよね。人間・比嘉愛未って、どういう感じだったかな? となる。なので「今の自分は何を求めているのか」とか、そういうことを考えられるようになりました。ちょっとした“余白”ができたと思います。
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35歳で出した写真集への想い
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【公開情報】
『吟ずる者たち』は全国順次、絶賛上映中
配給:ヴァンブック
©2021ヴァンブック
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