本作のラスト、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEによる主題歌「空に住む Living in your sky」が流れる。まさか三代目JSBの楽曲が青山作品に鳴り響く日がくるなんて、夢にも思わなかった。車内で本を読む時戸の涼し気な表情にこの楽曲が重なり、今市隆二と登坂広臣のツインヴォーカルが画面に導く『空に住む』のタイトルをみて、その瞬間、「岩ちゃんが、時空を超えた」と思った。
制作ノートの文末で、青山監督は、次のように書いている。
「完成までこれまでで最も長い時間がかかりましたが、これを作ることでようやく私も一人の映画作家になれたかもしれない、という気がしています」
そう綴る、偉大な映画作家の遺作となった本作。青山監督の、この透き通るフレーズを噛み締めればこそ、『空に住む』が、どれだけかけがえのない「奇跡」を生み出した作品だったか分かるだろう。
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<文/加賀谷健>