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福山翔大はただのイケメン俳優ではない!男前な魅力を『明日カノ』や過去作から読み解く

ヘッドライトに照らされる横顔の魅力

 クールキャラと熱血キャラの振り幅が象徴的だったように、福山の魅力が溢れるのは、特に表情の演技だ。現在放送中のドラマ『明日カノ』では、それぞれに恋愛感情をこじらせた4人の女子たちの中で、主人公の雪(吉川愛)と同じ店でレンタル彼女として働く彩(宇垣美里)の彼氏・光晴役としての好演が目を引く。  5日3日に放送された第4話でいよいよ登場した福山を見て、相変わらず男前だなと感心したのは、筆者だけではないはず。彩との待ちあわせ場所にさりげなく登場する雰囲気、青空の下、喫煙所で電子タバコを吹かす横顔、あるいは、トイレから戻ってきた彼女の浮気を疑ってじゃれつく感じなど、いずれの場面でも素晴らしい表情をみせている。  光晴は、自分の理想を押し付けてしまうところがあり、多少の噛み合わなさには無頓着で、ちょいダメ二枚目キャラだけど、福山が演じるからこその男前キャラに転じた表情が印象に残る。  美容外科手術を繰り返してきた彩は、とにかく見た目に囚われている。そんな外見至上主義の彼女に対して光晴は、本音をぶつける。これまで美貌に神経症的に努力を重ねてきた彩の気持ちは複雑だけれど、光晴の言うように人は見た目だけではない。心にトラウマと傷を負った彩と、誠実な言葉を突きつける光晴。ふたりが言い合う夜の歩道橋で、車道を走る車のヘッドライトに照らされる福山の必死な横顔が、ひときわ魅力的に映っていた。

男前の福山だからこその説得力ある名演

 光晴の言葉でトラウマが呼び覚まされ、彩は思わず涙する。そんな彼女に対して、言い過ぎたと言って、そっと抱きしめるフォローも忘れない光晴の誠実キャラにほっとする。ソフトでいながら、温かい包容力を感じさせ、嘘のない言葉で相手を傷つけたままにはしておかない心意気。それが、ただイケメンじゃない、精神と心に裏打ちされた男前の福山だからこその説得力ある名演だった。  翌朝、ワイシャツにネクタイを結びながら、食卓の準備を手伝う姿も、清々しく、キャラにまったくブレがない。光晴役は、間違いなくはまり役だけれど、俳優として誠実さを決して忘れない福山の努力の成果と読むこともできる。彼の経歴を聞いて驚いたのは、上京前に何と1200本の映画作品をみていたことだ(ちなみに映画監督志望の筆者が日芸受験前にみていた映画作品は、福山の半分のわずか600本程度!)。  過去の映画作品に裏打ちされた確かな演技力。この地道な努力の貯蓄が、福山をどれだけ骨太な俳優にしていることか。彩がレンタル彼女として働いていることがいよいよバレてしまう『明日カノ』第5話、福山はどんな表情を浮かべるのだろうか? <文/加賀谷健>
加賀谷健
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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