自分を悲劇のヒーローのように仕立て、しかも職権を利用した長沼部長の卑怯な不倫の手口。芳美さんは自分も辞める覚悟で、長沼部長の上司にあたるM本部長に今までの全てを赤裸々に報告したそうです。

「私は運よく長沼部長の餌食になりませんでしたが、多くの人達が辛い思いをして、せっかく見つけた職を辞めなくてはならなくなったことを考えると、私が行動を起こさないといけないと思いました。もちろん、それが原因で解雇されるかもしれませんでしたが、覚悟を決めていました」
それから1カ月後、いつものように出勤した芳美さんは食堂にある掲示板に一枚の人事異動告知を目にしました。長沼部長は物流センターへ異動とのことでした。
芳美さんはその告知を目にして、少し安堵したそうです。でも、それも束の間、今度は昼休みにM本部長に呼び出され、当面青果部のまとめ役として、パートでありながらマネージャー職を任命されたのです。
芳美さんにはかなりの重責だったようですが、それでも職場に健全で風通しのよい環境が戻ってよかったと明るい表情を見せてくれました。
―シリーズ「不倫の言い訳」―
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<TEXT/大杉沙樹>
大杉沙樹
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。