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神田沙也加の“オタクアピール”に見え隠れする暗い影

 映画『アナと雪の女王』でアナ役に抜擢され、一躍時の人となった神田沙也加。6月23日の『スッキリ!!』(日本テレビ系)ではようやく“親の七光り”というレッテルから脱却できたと涙ながらに語っていました。
神田沙也加オフィシャルHP

神田沙也加オフィシャルHPより

 2001年、15歳のときSAYAKA名義で華々しくCMデビューしたものの4年後には芸能活動を休止。その後、2006年に神田沙也加名義で活動を再開するものの特に目立った活躍もなく……ここまでが決して楽な道のりではなかったことは容易に想像がつきます。  そんな神田の心の支えとなっていたのが、ロリータファションとアニメだったよう。7月6日の『しゃべくり007』(日本テレビ系)では過剰なロリータファッションと深夜アニメ好きだということを公言して話題に。  神田が芸能活動休止するなか、ゴシック&ロリータファッション雑誌『KERA』でLilyという名前でモデル活動(しかも“読者モデル”として!)していたのは一部で有名な話。ですが、“アニメ好き”だということを知る人は少なかったようで、そのマニアックなトークで出演者や世間のファンを驚かせました。

TVで明かされた 意外な趣味

 ロリータモデル活動をする傍ら、神田が行ってきたもうひとつの活動が「アニメ声優」でした。昔からアニメが好きだったという神田は芸能界入りした後も声優への夢が捨てきれず、スクールを探し通っていたといいます。卒業後は2012年の深夜アニメ『貧乏神が!』(テレビ東京系)で声優デビューも果たすことに。
コスプレ

神田沙也加オフィシャルブログより

 そんな神田が今まで好きだと話した作品を並べてみると、 『ギルティクラウン』『妖狐×僕SS』『マクロスF』『ダンガンロンパ』『僕は友達が少ない』『ゆるゆり』『うたの☆プリンスさまっ♪』『AMNESIA』 ……と、なるほど、アニメ好きでないと耳にしないようなタイトルがズラリ(かろうじて『マクロスF』ぐらいは世間に浸透しているでしょうか?)。  このラインナップを見たアニメライター曰く、 「アニメオタクをアピールする芸能人の中には“本当に好きなの?”と疑うような誰もが知っているような作品しかあげられない人も多いですが……神田さんのチョイスからは良くも悪くも普段からアニメを見ている印象ですね。流行ものといえばそれまでですが、ちゃんとアニメ界のブームを追っている人ではないでしょうか。  例えば、同じアニメ・漫画好きでも能年玲奈さんの趣味は『地獄のミサワ』や『日常』『うさぎドロップ』など、どちらかといえばサブカル寄りな雰囲気を感じます。対する神田さんの選んだ作品は同人誌受けしそうな作品というか……コミケやアニメショップに好んで行きそうな雰囲気を感じますね」(アニメライター)  “ビジネスオタク”と呼ばれる芸能人とは一線を画しているようです。

ロリータ、アニメに音楽活動 その原点は?

 さて、ここまで彼女の趣味が話題になるのはその意外性からでしょう。本人がどんなに七光りを嫌がっても“松田聖子の娘”という事実は変わりません。自由奔放な恋愛遍歴を重ねる松田のイメージからは、娘がオタク気質だなんて想像がつきにくいのです。  一方で、そんな松田を母に持つからこそ、アニメやロリータファッションに没頭していったのではないかという見方もある様子。
ロリータファション

神田沙也加オフィシャルブログより

 松田聖子との確執は度々メディアでも報じられ、松田が三度目の結婚をする際にも祝福の声が届くなか神田のコメントだけがなく、姿をくらませていたと聞きます。ほかにも恋人優先の松田に対して「ついていけない」と松田の個人事務所にいくことを拒否したという報道もありました。  神田が幼い頃から“恋多き女”として追いかけられていた松田。その姿に憧れる女性ファンも多いですが、母親がそう報じられるのは複雑な心境だったでしょう。  ある心理カウンセラーはこう語ります。 「ロリータファッションに傾倒する女性というのは、無意識下で“大人になんてなりなくない”と願っている場合があります。また、アニメに没頭する人に対しても同様の事が言えます。  深夜アニメは主人公が中高校生など自分の年齢より若いケースが多いですよね。そういったキャラクターに感情移入するのは青春時代をやり直したいという意識の現れである場合も。もちろん、それが行き過ぎなければ決して悪いことではありません。神田さんにとって家庭の軋轢の癒しになるのであれば……」(カウンセラー)  実際に神田は過去のインタビューで“アニメは癒し”であるとも語っていました。  そして、6月25日には神田沙也加の音楽ユニット“TRUSTRICK”がメジャーデビュー。彼女自身が手がけている歌詞からもその孤独が見え隠れするのではないでしょうか。 「居場所なんてないの/最初からきっと」「飽きもせず思い出しては/傷を治せない」(TRUSTRICK『ATLAS』より) 『アナと雪の女王』で掴んだチャンスを逃さず、今後もさらなる活躍を見せてくれることを期待したいですね。 <TEXT/志賀むつみ>
志賀むつみ
ライター。某アニメ・コミック系出版社の編集を経てフリーに。現在は女性誌・男性誌、コミックファンブックまで幅広いジャンルで活動中。「動物愛護社会化検定 基礎級」取得
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