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安倍元総理銃撃、NHKの高校生インタビューに批判の声「ショックを受けた未成年に証言させるのか」

未成年の情報が不特定に伝わった致命的なミス

 話を女子高生に戻しましょう。今回は容疑者が確保されていたからよかった。しかし、もしこれが逃走している最中に彼女たちの顔が割れるような映像を流していたらと考えると、心底ゾッとします。  テレビを観た犯人が、口封じにやって来る可能性だってあるからです。事件の目撃者へのインタビューは、常にその危険をはらんでいるのですね。  だから、批判を承知で言えば、“笑顔を見せるな”だの、“〜してはるなんてふざけてんのか”だののネット炎上で済んでよかった。仮にトラウマを負っていたとしても、彼女たちは生きて治療を受けられるからです。  しかし、捜査の状況次第では、一歩間違えればそのチャンスさえ潰(つい)えていたのかもしれません。不作為とはいえ、重大事件に関して未成年の情報が不特定多数に伝わってしまう状況を作ってしまったことは、致命的なミスです。  いま一度、“公共”放送の意味について考えさせられる事件でもありました。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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