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2年で年商150億円を達成した女性が語る仕事論「“無理”と言われても諦めない」

岐阜県にある美顔器に特化した企業「ARTISTIC&CO.」。その海外販売の強化のため2017年に設立された新会社の「ARTISTIC&CO. GLOBAL」の代表を務め、設立からわずか2年で年商150億円を達成した女性経営者の金松月(きん しょうげつ)さん。波瀾万丈な金さんの人生について伺った前回に引き続き、今回は金さんの仕事論について話を聞きました。 【インタビュー第1回】⇒2年で年商150億円を達成した女性経営者の生き方「借金して日本に留学しました」

「無理です」と言われても諦めない

金さん

会社設立からわずか2年で年商150億円を達成した女性経営者の金松月(きん しょうげつ)さん

――金さんは「ARTISTIC&CO. GLOBAL」の設立からわずか1年で年商24億円を達成したとのことですが、どうしてそのようなことが可能だったのでしょうか? 金松月さん(以下、金)「当時の本社『ARTISTIC&CO.』の売上は20億円程度だったので、新設した『ARTISTIC&CO. GLOBAL』としては、『海外事業で5億円達成できたらすごいよね』というくらいの目的でした。それなのに最初の1年で24億円を達成できたのには、“運の良さ”もあると思います。運良くいいお客さまと出会えたというのは大きいです。ですが運だけではもちろんダメで、“運をモノにする”ということが大切だと思います。 中国市場で売れる見込みがあるからといって、いきなり生産台数を多くしようとしても、すぐにできるわけじゃない。リスクもあるし社員も残業しなきゃいけない。でも、『無理です』と言われても、そこで諦めません。『何が無理ですか?何をすれば可能にできますか?』と聞きます。そうして問い詰めると何が無理なのか突き詰められて、最終的に『やってみましょう』という姿勢になるんです」

当たり前のことを実践に移す

ビジネスイメージ―業績アップ

写真はイメージ(以下同じ)

――設立から1年で年商24億円を達成し、2年目には年商150億円を達成したとのことですが、成功の理由として思い当たることはありますか? 「1期目から好成績だったことには、2008年に設立した『ARTISTIC&CO. 』という基盤があったことが、もちろん大きいです。当時(2018年頃)は、『美顔器』はまだそこまで多くなく、ライバルが少なかったため、チャンスではありました。そこで1期目に達成した収益を利用して、プロモーションに力を入れました。 他社は日本製で品質が高いというのを強みとしてプロモーションしがちですが、海外から見ると『日本製=品質が高い』というのは当たり前のことです。当社は、“日本製”ということではなく、違う強みをしっかりアピールしていったというのが大きいです。“美顔器に特化していて自社工場もある会社”という強みを生かして、できることをやりました。例えば、融通が効く自社工場を利用して色のバリエーションを増やして他社との違いを出したりしました。 変化の激しい今の時代、お客様の要望へのスピーディーかつ柔軟な対応は最強です。それが中小企業の最強の強みでもあります。お取引先も大企業より柔軟な対応ができる中小企業がメインでした。そのお客様と共に企業として人として成長させていただきました。私自身が最初から戦略的に取り組める経験があったわけでは無かったため、本当にお客様から教えていただくことが多かったです。お客様のお力添えは足し算ではなく掛け算だと思います。その掛け算の最大の価値を出せる為に日々努力しています。 今になって考えると、結果につながった大きなポイントは、当たり前に『やったらいい事を実践に移してきた』ということです。例えば“インフルエンサーマーケティングを利用したらいい”“プロモーションかければいい”というのは皆が知っていることです。そういう当たり前にやればいいと分かっていることを、ひたすら実践に移してきたのです」
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金さんにとって仕事は“空気”
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