宇垣美里「地獄味あふれる現実がぐりぐりと心をえぐり…」/映画『マイ・ブロークン・マリコ』
ハードボイルドで鮮烈なシスターフッド映画に爽快感
シイノを演じる永野芽郁の体当たりなタフさや、マリコ役の奈緒の繊細で危なげなゆらぎはもちろんのこと、マリコの義母を演じる吉田羊の溢れる慈愛や、旅先でシイノに手を差し伸べる窪田正孝の誠実さなど、キャスト陣の地に足の着いた存在感が物語にさらに深みを増す。 原作マンガの持つ疾走感そのままに、ハードボイルドで鮮烈なシスターフッド映画となっており、悲しい話であるはずなのに観賞後には不思議と爽快感すら感じた。
救えなかった自分を抱え、忘れる恐怖に怯えながら、私たちの日常は続く
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。
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