ゼミで唯一の女性だからって「食器洗い係」に…大学院でアカハラ被害に遭った女性の嘆き
「アカハラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。アカハラとは、大学などで教授といった優位な立場の者がその力関係を利用し、学生に対して不適切な言動を行うことを指します。
学生にとっては、卒業や単位などは人生に関わるため、もしアカハラに遭っても相談できないケースもあるようです。
「あの時はつらかったです」と語る高木さつきさん(仮名・32歳)。学生時代の経験を振り返ります。
さつきさんは、都内にある大学を卒業後、系列の大学院に進学しました。
「まだ就職難が続いていて、希望通りの就職先には入れなさそうだったので、大学院に進学しました。大学院に進学する前からどのゼミに所属をするか悩んでいたのですが、大学時代に所属していたゼミの先生は、大学院では研究室を持たないので、新たに決めなければならなかったんです」
さつきさんは、将来的にはテレビ局やドキュメンタリー番組を制作する会社への就職を希望していました。
「大学院で面白い研究ができれば、就職でも有利になるかと思ったんです。私が所属したゼミの先生は、関西の大学から異動してきたため事前に情報がほとんどなかった。先生が作っていたゼミ生向けのサイトでは、レディオヘッドという洋楽のバンドや、映画評などを取り上げていたので、きっと若々しい先生なんだろうなって思って履修しました」
しかし、実際にゼミの講義が始まると、いろいろと疑問を抱いたそうです。
「先生の講義は、教室をいっさい使わず、いつも研究室で行われていました。新設の研究室だったので、私のほかにはゼミ生は2人しかおらず、どちらも男性でした。狭苦しい研究室に女性が自分しかおらず、息苦しい時もありました」
そう語るさつきさん。ゼミの時間は先生が一方的に話すのを聴くような講義だったと語ります。
「講義中、先生はずっと煙草を吸うんです。そしてコーヒーも飲んでいました。私は煙草も吸わないし、コーヒーも飲めない。それなのに、ゼミの日はみんなの分のコーヒーを準備することや、飲み終わった後の食器洗いなどを一年生で女性だった私が全部するように言うんです」
食器洗いなどは当番制だと思ったため、最初は受け入れていたというさつきさん。ある時、男子に洗い物を指示しない先生に抗議をしました。すると……。
「まさか食器洗いは女性がやるべきと言うとは思わなかったんです。だから私は“自分以外の男性も当番にすべき”と言ったら、ものすごくカンに触ったみたいで、その日から私がやることなすこと、批判が始まったんです……」
就職難時代、希望を持って大学院に進学
ゼミで唯一の女性…食器洗い担当に

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