「発達障害」を資産に変えられる!? 当事者が教える特性をいかす方法
発達障害を「資産」に変える6か条
さて、「発達障害をネガティブにとらえるのではなく、ポジティブにとらえて『資産』に変える」というのが本書の主題です。発達障害のある「こだわりさん」は、発達障害でない人と同じ基準で判断すると失敗が多いように見えるため、「自分はダメなやつだ」と自己評価が低くなりがちです。このあと、本書を読み進めていく中で、「私なんか」と思う人ほど、ぜひ次の6か条を念頭に置いてほしいと思います。
1. 苦手や短所は克服しない
「こだわりが強い」「行動していないと気が済まない」「説明が長い」といった発達障害のある人の特性は、一見、発達障害でない人と比べると短所だと思われがちです。しかし、発達障害でない人でも、誰しもこうした特徴はあるものです。
発達障害の場合は、その凹凸が人一倍強いだけ。弱点である凹を無理に克服しようとしても、発達障害でない人と同じレベルか、それより下の水準でしか成果は出ません。
ならば、その労力を自分の強みである凸を磨くことに費やしたほうがいいと思います。苦手なことや短所はひとまず無視して、自分の強みを磨いていく。強みの存在感が増していけば、次第に苦手なことや短所が目立たなくなっていきます。
2. ノーマルを目指さない
私たち発達障害のある人たちは、ユニークな個性を持つ人が非常に多いです。でも、「普通の人」を目標にしてしまうと、その個性が消されてしまいます。だったら、「普通」を目指すのではなく、個性的に生きることを選んで、他人と差別化しましょう。そして、その個性こそが自分の強みになっていくはずです。
3. 長所と強みで勝負する
人には、自分の弱点ばかりが目に入って、良いところが見えづらいところがあります。でも、自分の長所と強みはどこかを見極めて、それを伸ばすことを意識してください。「自分は、これなら負けない!」という強みの種を見つけたら、それを育てて、自分の武器にしていきましょう。
自分だけの「オンリーワン」は強みになる
<文/銀河 構成/女子SPA!編集部>銀河
上智大学卒。ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)の当事者。ASD優位で空気を読むことが大の苦手。新卒で営業としてキャリアをスタートするも、約1年でうつ病を発症。復職し、発達障害の強みを活かして営業成績2位をおさめる。入社満3年で退社し、会社の同期が設立したCare Earth(株)に誘われて入社。現在ではキャリアアドバイザーとして、転職サポートを行っている。また、キャリアや生活で悩む発達障害の人へのアドバイスなどを中心に、コーチングも行っている。初の著書は『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』 Twitter:@galaxy_career
1
2


