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「発達障害」を資産に変えられる!? 当事者が教える特性をいかす方法

発達障害の当事者の銀河さんは、彼は空気を読むことが苦手で、新卒で入った会社でもうまくいかず、うつ病になってしまいます。その後、発達障害であることを生かした仕事のやり方をみつけ、現在ではキャリアアドバイザーとして転職サポートを行ったり、キャリアや生活で悩む発達障害の人へコーチングを行うなどの活動をしています。 今回、銀河さんが上梓した新刊『発達障害と仕事』の中から、発達障害の特性と、それを資産にする方法をご紹介します。 (当記事は本書より抜粋して構成)
銀河さん

銀河さん

そもそも発達障害ってどんなもの?

発達障害と仕事

※画像はイメージです

さて、みなさんは、発達障害のことをどれぐらいご存知でしょうか? ・ADHD ・ASD ・LD ・ADD ・注意欠陥多動性障害 ・自閉症スペクトラム ・学習障害 など様々な呼び方をされますが、これらはすべて発達障害です。 例えば、私が診断されたASDは、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害などの総称とされていますが、主に、次のような特性があるとされています。 ● こだわりの強さ まず、代表的な特性は、「こだわりの強さ」だと思います。好き嫌いが激しくて、自分の好きなものにはのめり込むけれども、興味のないことには全く関心が持てず、思考が停止してしまいます。また、自分自身が納得するまでは、他人に言われたことを受け入れられません。反対に、一度納得すると素直に受け入れ、すぐに行動に移したり、ルーティンに組み入れたりもします。 ● コミュニケーション能力が高くない 自分の世界に閉じこもってしまいがちなので、自分の思いや感情を外に出すのが得意ではない人が多いようです。その結果、周囲の人の理解を得づらく、孤立しがち。私自身も会社員時代は、「世間話は無駄」「意味のある話しかしたくない」と思っていたため、社内ではよく一人ぼっちになってしまいました。また、初対面の人を敬遠しがちなので、人づきあいが広がっていかない傾向もあります。 ● 疲れやすい 普通の人が無意識にやっている「空気を読む」という行為ができません。その代わりに、相手の視線や声の動き、声のトーンなどでその場の状況を判断しようとするため、気疲れしてしまう人が多いようです。普通の人が無意識で得られるコミュニケーションの情報が、圧倒的に少ないのが私たちの特性のひとつです。

まだまだある「発達障害」の特性

● 一人で抱え込んでしまう 完璧主義で他人に頼るのが苦手です。そのため、仕事や悩みを一人で抱え込んでしまって、パンクしてしまうことも多いです。結果として納期に遅れたり、アポイントメントに遅刻してしまったりすることもあります。そのため、周囲の人からその特性が理解されないと、「あの人は適当だ。ルーズだ」などと思われてしまいがちです。 ● 感覚過敏 感覚過敏は、人一倍、様々な感覚に過敏になってしまう特性です。例えば、洋服についているタグが肌に触れる感覚が気になってしまい、タグを取らないと洋服が着られない……など。私の場合は少し聴覚過敏気味で、アナログ時計だと「チクタク」という秒針の音が気になってしまうので、家にある時計はすべてデジタル時計に統一しています。ちなみに、小さい頃から騒々しいゲームセンターがすごく苦手でした。 ● 感覚鈍麻 感覚鈍麻は、感覚過敏の反対で、いろいろな感覚に対して鈍感になる症状を指します。例えば、熱があっても気がつかなくて、倒れてようやく自分が発熱していることに気づく……など。私自身も体調に関しては感覚鈍麻気味で、風邪などをひいても、周囲から「顔が赤いけど大丈夫?」と言われるまで気がつかなかったことが何度もありました。
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発達障害を「資産」に変える6か条
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