不思議な設定を使い、人間模様を鋭く描く作品が好きだった
――『元カレと三角関係』について、読者の方からはどんな反応がありましたか?
Ququさん(以下、Ququ):自分の体験と重ね合わせて感動して下さる方々が多かったように思いますが、どの登場人物に感情移入するかは人それぞれだったように思います。「昔もっと恋人を大事にすればよかった」「今の恋人を大事にしようと思った」「昔の恋人に会いたくなった」…など、
三人の視点それぞれへの共感の声があり、登場人物の気持ちを感じていただけたのが嬉しかったです。

――Ququさんの漫画は「不思議な世界感」が大きな魅力の一つですよね。『世にも奇妙な物語』で実写化したと聞いて、とてもしっくりきました。SFという括りが正しいのかわかりませんが、こうした不思議な世界観で漫画を描き始めたきっかけや、影響を受けた作品などはあるのでしょうか?
Ququ:やはり子どもの頃に読んだ作品の影響は大きいように思います。世界観や設定というよりは、それを活かして人間の感情を揺さぶるような作品が好きでした。「ドラえもん」や、実はSFテイストも強い「ブラックジャック」などは、ただ不思議な設定があるだけでなく、それを使って人間模様を鋭く描いていて、子どもの頃に感動した記憶があります。
――Ququさんご自身も、不思議な体験をされたことがあるのでしょうか?
Ququ:いわゆるオカルトな経験はあまりないですが、Twitterに投稿した漫画が『世にも奇妙な物語』になるというのは人生でも相当不思議な体験でした。SFという意味では、
どんどん世界がSFに追いついているので、普段の体験が昔からすると不思議と言えるかもしれないですね。
――『元カレと三角関係』は設定が特に秀逸だと思います。設定だけで引き込まれるし、斬新すぎて展開がまったく読めないというか。今回のようなお話のアイデアは、どんな風にして生まれるのでしょうか?
Ququ:話によって着想は様々なのですが、今回の話は「読者の共感を得ることができる問題」から考えた記憶があります。「絶対自分のことが好きだと思っている恋人が、そうでなくなったら…」という多くの人が共感できそうな問題を考え、その状況を作るための展開を考えていく中で、元々関心のあった「身体の動かない方のための遠隔操作ロボット」が組み合わさって生まれました。