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「“当たり前”を変えないと変化は生まれない」働くすべての人に贈りたい考え方とは

OBNの代表的項目

飲み会 企業での女性活躍を推進する「J-Win」が作成したOBNの代表的項目を、抜粋して列挙してみます。 ・行動(成功体験)の押し付け ・上司への忖度 ・男性固有のネットワーク(喫煙所や飲み会など) ・男性固有のイベント(接待ゴルフや接待麻雀など)  OBNを良しとする人々は、こうした閉鎖的な空間で形成されるネットワークやコミュニケーションを通じて、「あうんの呼吸」が可能になると主張しがちです。  しかし、本当にそうでしょうか?  私はCOVID-19のパンデミックのだいぶ前からテレワークを取り入れ、飲み会の参加は年に数回程度、タバコもゴルフも一切やりませんが、多忙な日々を過ごしています。  OBNによって形成される「あうんの呼吸」がなければ仕事ができない、生産性が上がらないとはまったく感じません。むしろ、閉鎖的空間で情報共有がなされぬうちに物事が決まっていくのは、そのコミュニティに入らない私のような人間や女性、若手の生産性やモチベーションを下げるデメリットの方が大きいと感じます。  もちろん、趣味の合う仕事仲間とのレクリエーションや飲み会での忌憚のない会話から、ポジティブな関係やアイデアが生まれる可能性を否定はしません。しかし、無理をしてまで参加しなくてはいけない、もしくは同調圧力によって参加させられるような環境には「ノー」を突きつける、または距離を置いてよいでしょう。

女性も最前線で活躍できる職場に

 また、高度経済成長期に男性正社員をベースに制度設計された多くの職場では、年齢や社歴、性別や雇用形態によって業務内容に優劣がつくケースも根強く見受けられます。  こうした職場は、今は閉塞感に満ちていたとしても、逆にこれまで権限や裁量権が与えられなかった若手、女性、非正規社員といった働き手に新しい役割を期待することで、先進的な職場に変化できる可能性を秘めています。  昭和28年創業の老舗企業である三光製作株式会社は、静岡県浜松市にある金属・樹脂の表面処理加工を事業の柱とするめっき工場です。2008年のリーマンショックを機に同社は、「めっき屋なのに~」をスローガンに、創業から変わらずにいた仕事のやり方、および従業員の役割を大幅にシフトチェンジしました。  たとえば、その営業スタイル。 もともとはテレアポや訪問営業など、気合と根性、体力勝負になりがちな営業スタイルで新規顧客を開拓していました。しかし、デジタルマーケティング&ブランディング、インサイドセールスなど、デジタルツールを活用したスタイルに大胆に方針転換します。営業の職種そのものをアップデートした事例と言えるでしょう。  職種の定義を変えたことで、営業で活躍できるプレイヤー像も変貌を遂げました。それまでは男性がメインだったところを女性も担えるようになり、最前線で活躍するようになったのです。
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今どきの職人集団の姿は頑固一徹ではなく、臨機応変。
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