――現在、30代後半ですが、40代、50代、もしくはおばあちゃんになったときに憧れる像はありますか?

『天上の花』より
入山「私、ひいおばあちゃんにとても可愛がってもらったんです。明治生まれだったのですが、とても長生きで、私が大学生のときに他界しました。
平成になってもずっと毎日着物で、夏は浴衣。とてもはっきりと物事を言う人で、大好きでした。なので、ひいおばあちゃんのように、しっかりと時代を生き抜き、ちゃんと自分のことを伝えられる人でありたいと思っています」
――入山さんは朝ドラ『エール』でも本作でも和装がとてもお似合いですが、和装の方は、とてもシャンとされている印象がありますね。
入山「本当に。2階建ての家だったのですが、晩年まで階段の上り下りもしっかりしていましたし、お散歩もよくしていて、ずっとハキハキ喋っていました。行儀の悪いことが大嫌いで、お茶の淹れ方や、靴の脱ぎ方、うるさく足音を立てないようになど。そういったお行儀に関して、ひいおばあちゃんから教わったことがたくさんあります。
いまも何かしてしまいそうになると、『ひいおばあちゃんに怒られる』と思いながら、いつも近くに感じて過ごしています」
――身近な方では、ひいおばあ様が憧れとのことですが、先輩の俳優で尊敬している人と、その理由を教えてください。

『天上の花』より
入山「ドラマと映画で何度かご一緒させていただいた大杉漣さんのことは、いまもとても尊敬しています。言葉では言い表せないほど、ひとつひとつにいい思い出があります。いつもとても優しく、温かかったですね。
若い人や経験値の浅い人に対しても、まったく変わらぬスタンスで、お芝居のために、作品のために、みんなに声をかけていらっしゃいました。私にも声をかけてくださって、すごく嬉しかったです。役者さんとしてももちろんですが、お人柄が大好きで、そうやって人と接することのできる人になりたいなと思っています」