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「0歳の我が子に手を振り上げてしまった… 」自らも虐待を受けて育った作者を取材<漫画>

母に植えつけられた「罪悪感」

ーー大人になっても兄妹助け合える関係が素晴らしいと思いました。3人の絆が途切れなかったのはなぜだと思いますか? あらい:「私たちが母を助けなければ」という共通意識があったからだと思います。それが大人になっても続いていたのが、結果的にいい方向に働きました。 「母はあんな思いをしても子どもたちを手放さないでいてくれた」という罪悪感があったので、私たちが非行に走ったら母が悲しむし、「母が父に責められてしまう」と思っていました。子どもの頃は兄妹で「絶対にグレたりしないでおこう」と結束して、お互いに「それは変だよ」と注意しあっていました。 ーー虐待されて育つと、自分の親と同じような問題を抱えた人を好きになったり、家庭生活がうまくいかないケースがあると思います。なぜ兄妹3人とも幸せな家庭を築くことができているのだと思いますか? あらい:「母が自慢できる子になりたい」という思いが共通してあったので、酒癖の悪い人やギャンブル好きな人、異性にだらしない人は絶対に配偶者に選ばないようにしていました。でも結婚前は想像できないこともあるので3人とも運が良かった部分はあると思います。 ーー現在はお兄さん2人はお母さんとの関係はどうなのでしょうか? あらい:兄たちは母に対して「自分たちにできることは全部してあげたい」と思っているようです。私と母の仲をとりもとうとしてくることもあります。でも、父の愛人問題に兄妹で介入した後、母に「余計なことをした」と逆恨みされたのもあり、兄妹で「親とはいえ、よその夫婦の問題に立ち入り過ぎた」と反省しました。それからは、お互いに傷つかない距離感を模索しているように見えます。 <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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